第213回国会(常会)
質問第一九六号 改正政治資金規正法の運用に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年六月二十日 浜田 聡
参議院議長 尾辻 秀久 殿 改正政治資金規正法の運用に関する質問主意書 政治資金規正法の一部を改正する切欠になったのは自民党安倍派を筆頭に五派閥によるパーティー券収入の多額の過少記載や不記載を神戸学院大学の上脇博之教授が刑事告発したことが報道されたことによる。この刑事告発を受けて大野泰正議員、谷川弥一議員、池田佳隆議員が起訴され、安倍派、二階派、岸田派の会計責任者ら七人が政治資金規正法違反で立件された。政治資金規正法で二十万円以上の券購入者は収支報告書に記載が義務付けられているが四千万円以上の不記載が発覚したことから告発されることとなった。パーティー券の販売ノルマを超えた収入を所属議員に還流しながら収支報告書に記載せず、議員側が裏金化した疑惑も浮上した。自民党はこのことに関係している所属議員三十九名に処分を科したが、説明が充分に尽くされたとは言えない。 これら一連の不正が発覚したことを受けて政治資金規正法を改正することで再発防止に万全を期す規定作りに対して国民から立法府に対して強い期待が寄せられた。令和六年六月十九日、政治資金規正法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が成立した。同法の成立を受け、今後は政府において施行に向けた準備が進められると承知している。改正法が国民の政治への期待に十分応えたものとなるよう政府が責任を持って運用していくことが強く求められている。そこで以下質問する。 一 改正法第十九条の十四の二において国会議員関係政治団体の会計責任者が当該団体の代表者に報告書を提出し説明することとし、その内容を確認した代表者は会計責任者に対して確認書を交付するとある。代表者が確認書を交付後に会計責任者から受けた説明に齟齬があったり、報告書に不実があったことが発覚した場合は代表者へ責任が及ぶものなのかどうかについて政府の見解を示されたい。 二 政党から政治家もしくは国会議員関係政治団体に支給されたいわゆる政策活動費について、支給を受けた年度内に残った残金を明らかにするとともに、その原資が公金であることから国に返還するべきだと思料するが政府の見解を示されたい。 三 調査研究広報滞在費について、支給を受けた年度内に残った残金を明らかにするとともに、その原資が公金であることから国に返還するべきだと思料するが政府の見解を示されたい。 四 収支報告書の年度ごとに政策活動費や調査研究広報滞在費の残金がいくらあるのか不明のままに残されることは、まさしく「裏金の温床」を残すことに繋がると考えるが政府の見解を示されたい。 五 政策活動費の項目ごとの使用金額、使用年月を十年後に公開することとしているが、それに係る罰則規定がないことについて政府の見解を示されたい。 六 政策活動費の項目ごとの使用金額、使用年月を十年後に公開することとしているが、十年後だと何らかの不正があったことが発覚しても公訴時効の期限を超えており、告発等が不可能となる。十年後の公開では遅すぎると思料するが政府の見解を示されたい。 七 政策活動費の使用年月を公開する際に、「使用年月日」ではなく「使用年月」としている点について政府の見解を示されたい。 八 政策活動費の項目ごとの使用金額、使用年月を十年後に公開することとしているが、公開時にはいわゆる「黒塗り」等で部分的に隠されるのではないかと考えるが政府の見解を示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |