質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第一九〇号

ロシア連邦のプーチン大統領就任と日露関係、北方墓参に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年六月十九日

鈴木 宗男


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   ロシア連邦のプーチン大統領就任と日露関係、北方墓参に関する再質問主意書

 北方四島交流事業の一つである「北方墓参」について、私が提出した「ロシア連邦のプーチン大統領就任と日露関係、北方墓参に関する質問主意書」(第二百十三回国会質問第一四七号)に対する答弁書(内閣参質二一三第一四七号)に関し、以下質問する。

一 「「外交上のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたい」との答弁だが、それならば、日本側は、誰がロシア側に働きかけをしているのか、官職、氏名を明らかにされたい。」及び、「千島歯舞諸島居住者連盟が、北方領土の元島民の人数は、二〇二三年度末時点で五千百三十五人となり、終戦時は一万七千二百九十一人だったが、初めて三割を下回り、平均年齢も八十八・五歳になったと公表している。元島民の思いに応えるためにもロシア側と密に協議することが、人道的見地からも政府の果たす役割だと考えるが、どのような協議を行っているのか、明らかにされたい。」との質問に対し、「上月前ロシア連邦駐箚特命全権大使及び武藤ロシア連邦駐箚特命全権大使から、それぞれルデンコ・ロシア連邦外務次官に対するものを含む様々なレベルで、御指摘の「北方墓参」の実施について働きかけを行ってきている。これ以上の詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたい。」との答弁であった。

 ルデンコ・ロシア連邦外務次官に対するものを含む様々なレベルで働きかけを行ってきているならば、上月前ロシア連邦駐箚特命全権大使及び武藤ロシア連邦駐箚特命全権大使から、ロシアに対して働きかけを「いつ、今までに何回、働きかけを日本側としてどのように」行ったか、日時、回数、働きかけた場所、詳細を明らかにされたい。

二 「上月前ロシア連邦駐箚特命全権大使及び武藤ロシア連邦駐箚特命全権大使から、それぞれルデンコ・ロシア連邦外務次官に対するものを含む様々なレベルで、御指摘の「北方墓参」の実施について働きかけを行ってきている。」との答弁であったが、政務三役である外務大臣、副大臣、政務官からは、ロシア連邦に対して働きかけを行ったことがあるか。あるならば、「官職、氏名、働きかけを行った日時および回数」を明らかにされたい。

三 「「外交上のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたい」との答弁だが、公表することによって、どんな問題が生じると考えているのか、政府の見解を示されたい。」との質問に対し、「外交上のやり取りの詳細について明らかにすることにより、相手国との今後の率直なやり取りに支障を来すおそれがあり、結果的に交渉上不利益を被る等我が国の国益を害するおそれがあると考える」との答弁であった。

 前記一のように、元島民の平均年齢は八十八・五歳となり、生存者も三割を下回った。政府として、ロシアとの交渉の進捗状況等、元島民に対して丁寧な説明があってもいいのではないか。

 また、北方墓参が出来ない事実こそが、故郷を思う元島民に対して人道的見地から国益を害していると考えるが、政府の考えを示されたい。

四 北方墓参における一九八六年の枠組みについて、私が本年二月二十日に提出した「日本とロシアの北方墓参に関する質問主意書」(第二百十三回国会質問第四二号)に対する答弁書(内閣参質二一三第四二号)で「政府として、御指摘の「北方墓参」の枠組みは現在も維持されていると考えており、ロシア側からもその旨の確認を得ている」との答弁であった。

 それならば、日本側がロシアに対して要望、要請すれば北方墓参の再開は可能ではないか。なぜ、人道的見地から元島民の意向を尊重しないのか、政府の考えを示されたい。

  右質問する。