質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第一八八号

柔道整復業の施術所の名称等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年六月十八日

大島 九州男


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   柔道整復業の施術所の名称等に関する質問主意書

 接骨院、整骨院等の施術所等において従事する柔道整復師は国民の健康を支える重要な存在である。

 しかしながら、柔道整復業の施術所(以下「施術所」という。)に対する厳しい広告規制の存在や、柔道整復師の施術に係る療養費(以下「柔道整復療養費」という。)の改定による処遇改善等、柔道整復師に関する課題は山積している。そこで以下質問する。

一 厚生労働省のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会(以下「検討会」という。)等において、施術所の名称に「整骨院」を用いることの制限について議論が行われており、令和六年五月二十日に開催された第十回検討会において、これまでの議論で「新規の「整骨院」を不可とすること」、「既存の「整骨院」は施術所の移転や看板の掛け替え等を行わない限り当面の間猶予すること」の方向性に異論が出なかったとされた。しかし、柔道整復業界は、これまで「整骨院」での名称の届出が認められてきたこと、施術所の半数近くが名称に「整骨院」を用いていること、施術所が名称に「整骨院」を用いていることによって国民が大きな不利益を被るような問題は生じていないことなどを挙げ、再度議論することを求めている。また、国家資格取得者である柔道整復師にのみ制限を課し、無資格者が自由に「整骨」の名称を使うことになれば、国民の健康被害へと至る重大な政策ミスとなる危険性がある。政府においては、このように恣意的な議論を展開する検討会によらない公正公平な国会の場で、法改正も含めた制度整備の必要性について国民の声を聞くべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 施術所では、令和六年十二月二日からオンライン資格確認が義務化される。オンライン資格確認の導入に際して、パソコンに接続するカードリーダー、スマートフォン、タブレットの購入費用については四・一万円を上限に補助されるが、パソコンの購入、設定等に掛かる費用は補助の対象外である。また、オンライン資格確認を運用するに当たり、インターネット料金等の継続的な費用も生じる。これらの費用や設定等に要する労力は、新たにパソコンを購入する必要がある施術所や、パソコンの操作に慣れていない柔道整復師にとって大きな負担となっている。オンライン資格確認の導入促進のため、パソコンの購入、設定等に要する費用についての補助も必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

三 柔道整復療養費の令和六年料金改定について、一部を除き令和六年六月一日から適用が始まった。同改定では、初検料、電療料のプラス改定により全体の改定率はプラス〇・二六%となったが、明細書交付義務化対象施術所の範囲拡大による負担増加等の問題点も指摘されている。柔道整復療養費の改定の目的には、物価高騰への対応、賃上げ等が挙げられているが、令和六年四月の消費者物価指数は、前回柔道整復療養費が改定された令和四年六月から約六%上昇しているなど、柔道整復療養費の改定率が物価高騰等に追いついていないことは明らかである。物価高騰への対応や柔道整復師の賃上げを達成するために更なる対応が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。