第213回国会(常会)
質問第一七九号 経団連が提言しても政府が選択的夫婦別姓制度を導入しない理由に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年六月十八日 水野 素子
参議院議長 尾辻 秀久 殿 経団連が提言しても政府が選択的夫婦別姓制度を導入しない理由に関する質問主意書 夫婦は婚姻に際し、現行制度では、妻の姓、夫の姓のいずれを選ぶことも可能だが、九十五%の夫婦において妻が改姓している。このため、アイデンティティの喪失や自己の存在を証することができないことによる日常生活・職業生活上の不便・不利益といった、改姓による負担が女性に偏っている状況となっている。 政府においては、法務省法制審議会において、一九九六年に選択的夫婦別氏制度の導入を答申し、一九九六年及び二〇一〇年にそれぞれ民法改正案が準備されたにもかかわらず、国会に提出されるに至っていない。 国際的な動向としては、夫婦同姓としていた国が次々と法改正を行っており、現在、婚姻時に夫婦同姓しか選択できない国は日本のみとされている。 また、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、日本に対し、夫婦同姓の強制を廃止するようにこれまで二〇〇三年、二〇〇九年、二〇一六年の三度にわたり是正を勧告しており、本秋には、六年ぶりに日本への定期報告審議を行うことが予定されている。 日本経済団体連合会の調査では、八十八%の女性役員が「旧姓の通称使用」が可能である場合でも、「何かしら不便さ・不都合、不利益が生じると思う」と回答しており、同会は、本年六月十日、選択的夫婦別姓制度の早期の導入を政府に提言している。 以上の状況を踏まえ、政府において選択的夫婦別姓制度を導入しない理由と今後の検討の見通しについて明らかにされたい。 右質問する。 |