質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第一六八号

非営利性が要件であるはずの認定NPO法人フローレンスにおいて年額二千万円を超える給与をもらっている職員が存在すること等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年六月十日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   非営利性が要件であるはずの認定NPO法人フローレンスにおいて年額二千万円を超える給与をもらっている職員が存在すること等に関する質問主意書

 特定非営利活動促進法(以下「NPO法」という。)では、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的として、平成十年十二月に施行された。NPO法により法人格を取得した法人(以下「NPO法人」という。)の要件は、NPO法第二条第二項第一号柱書において「営利を目的としないものであること」と定められている。非営利性が要件であるはずの認定NPO法人フローレンス(以下「フローレンス」という。)の会長職を名乗る駒崎弘樹氏の報酬が高すぎるという批判が散見される。批判内容の一つには、フローレンスの役員名簿に駒崎弘樹氏の記載はないが、役員とはされていない「会長職」を名乗り役員と同程度の報酬をもらっているとの内容である。また、東京都生活文化スポーツ局で公表されているフローレンスの令和三年度役員報酬規程等二十二頁には、「役員等に対する報酬又は給与の支給の状況」として、給与支給額が二千四十万百七十四円にのぼる者が存在することが示されており、フローレンスの非営利性に対し疑問視する声がある。

 他方、経済企画庁国民生活局余暇・市民活動室が編集し、株式会社ぎょうせいが発行している「Q&Aここが知りたいNPO法―法人格取得マニュアル―」には、「役員の報酬の額については、特段の制限は置かれていませんが、その額があまりに多額な場合は、その報酬が法人の利益の分配に当たると考えられ、非営利性(法第二条第二項第一号)の要件に反することもあると考えられます。」との記載がある(以下「書籍の解説内容」という。)。これらを踏まえて、以下質問する。

一 書籍の解説内容について、政府も同様の見解か。異なる場合は異なる点を具体的に示されたい。

二 前記一について、書籍の解説内容にある「その額があまりに多額な場合」について、国民に分かりやすく例示されたい。

三 前記二について、NPO法人の職員の給与額が年額二千万円を超えることは「その額があまりに多額な場合」に該当するか、理由と併せて見解を示されたい。またNPO法人の役員報酬が年額二千万円を超えることについても同様に見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。