質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第一六六号

SNS等を通じて不特定多数に「賞金」を提示して犯人逮捕を呼びかける行為に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年六月六日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   SNS等を通じて不特定多数に「賞金」を提示して犯人逮捕を呼びかける行為に関する質問主意書

 中国人と思われる男性が靖国神社の石柱に放尿し、赤いスプレーで落書きをしている動画がSNSに投稿され、警視庁が捜査を行っている。

 この動画の男性について、自身のSNSに「どなたであろうと、この中国の人を捕えて引き渡してくださった方に…賞金五百万円(後に一千万円に増額する投稿をしている)をその場でお渡しします。捜査協力なう」と投稿し、「賞金」を設定して犯人の逮捕を呼びかけている人物がいる。

 動画の男性の行為は器物損壊罪や軽犯罪法に抵触する恐れがあり、許されるものではなく検挙する必要があると考えるが、一般人が逮捕できるのは刑事訴訟法第二百十三条により現行犯である場合に限られている。

 一方で、刑法第二百二十条において「不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。」と規定されている。

 以上踏まえて、以下質問する。

一 犯行の様子が動画などで公開され犯行が明確な場合であっても、その犯人を一般人が逮捕することは刑法第二百二十条で規定されている逮捕監禁罪に該当する可能性があると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 SNSでの投稿等で一般人に対して「賞金」を提示して逮捕を呼びかけ、それに応じて犯人を逮捕した者がいた場合、逮捕を呼びかけた者が刑法第二百二十条逮捕監禁罪の幇助罪に該当する場合があると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 SNS投稿等によって不特定多数に「賞金」を提示して犯人逮捕を促す行為は、その呼びかけに応じた者が罪に問われる可能性があるので、このような投稿は行わないよう政府として注意喚起すべきだと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。