質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第一〇九号

有権者に日本酒を提供したことが報じられている衆議院議員への捜査に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年四月十一日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   有権者に日本酒を提供したことが報じられている衆議院議員への捜査に関する質問主意書

 二〇二四年二月二十日にNHKが次のような記事を出している。記事を引用する。

○立民 梅谷守議員 会合で有権者に日本酒提供「対価として」

衆議院新潟六区選出で立憲民主党の梅谷守議員が、先月、上越市内の会合で有権者に日本酒を渡していたことがわかりました。議員側は、渡したことを認めた上で「会合の対価として提供したことがある。今後は疑義を生じさせかねない物品などの提供は差し控える」とコメントしています。

関係者によりますと、立憲民主党の梅谷守議員は、先月、選挙区内の上越市で行われた町内会の行事で、有権者に日本酒を渡したということです。

公職選挙法は、政治家が有権者に金品などを寄付することを禁止していて、県選挙管理委員会によりますとイベントでの差し入れなども法律に抵触するおそれがあるということです。

梅谷議員の事務所は、NHKの取材に対して「おのおのの会合の対価として提供したことがある」と酒を渡したことを認めた上で「今後は疑義を生じさせかねない物品などの提供は差し控え、公職選挙法の趣旨にのっとって適切に対応していく」とコメントしています。

梅谷議員は、新潟県議会議員を経て三年前の衆議院選挙で、当時の新潟六区から立候補し、初めて当選しました。

 同記事の続きで重要なポイントを挙げる。

・岡田克也幹事長が「報道の内容が事実かどうか、まだ十分に確認できていないが、はっきりと写真や動画などもあり、かなり確度が高い話だろうと思っている」と述べており、この事例は証拠がそれなりに明らかであることが推察される。

・NHKは日本酒を渡されたという町内会関係者に取材をしていることから、今後司法当局が捜査をすることは十分可能と思われる。

・新潟県選挙管理委員会は「一般的に、町内会行事などへの差し入れは公職選挙法に抵触するおそれがある。今回はすでに行われた行為で、違法性は司法当局が判断するものだ」としており、選挙管理委員会は違法性の判断を司法当局に任せている。

 また、四月二日の立憲民主党岡田克也幹事長の会見ではこの梅谷守氏の件についてフリーの記者が質問し、次のようなやりとりをしている。

記者:時間がかかりますじゃなくて、どういうものを配ったのか事実を摘示するだけで済む話。

なんでこんなにかかっているのか。

岡田幹事長:梅谷さんご自身は一定の事実を認め、軽率であったというふうに反省をして、ま、そのことは明らかにされてます。その上で党としてどう対応すべきかということについては、ま、しっかり見極めた上で、私の責任で判断したいというふうに思っています。

記者:そのしっかりと見極めてというのは、梅谷さんが今まで言われていた内容を(自身も)お聞きになったわけですから、その認識で足りるんじゃないですか。

岡田幹事長:時期がくればきちっと申し上げたいと思います。何もないというふうに考えているわけではありません。

記者:ということは材料は揃ったけども、判断に時間がかかるということですか。

岡田幹事長:ま、材料も含めて、……現在、まだ、梅谷さんの対応もこれあり……状況の整うのを待っている状態です。

記者:たとえば自民党、元自民党ですけども菅原一秀さんの例がありますけども、そういった例も含めて地元にこういうのを配ったら検察の方で立件されるとか、あとは党の方で離党勧告で離党されましたけども、そういった風な国会の前例を基本にすればですね、そんなに難しい話ではないと思うんですけど。これから新しい分野を開拓するわけではないので。大体どのくらいこの判断におかけになる予定でしょうか。

岡田幹事長:あの、その時がくればお話したいと思います。

 以上のやりとりでは、梅谷守氏の所属政党においては、同氏への処遇は未だに決まっていないことがうかがえる。

 以上を踏まえて、質問する。

一 報道から一か月半が経過したにも関わらず、梅谷守氏の処遇について同氏の所属政党が何の決定もしていない現状に関する政府見解如何。

二 これまでの状況を勘案すると、今後も梅谷守氏の所属政党が同氏に何らかの処分を決定することは期待できない。であれば、司法当局が同氏の公職選挙法違反について捜査をすることが必要と考える。司法当局が捜査を開始しているか否かを伺う。仮に開始していないのであれば、その理由も伺う。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。