質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第一〇三号

NHKが「警視庁によりますと」という記載で書類送検された男性を報道した事に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年四月八日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   NHKが「警視庁によりますと」という記載で書類送検された男性を報道した事に関する質問主意書

 令和六年二月十七日、NHKで「若い女性の支援団体に対する名誉毀損の疑い 四十代男性書類送検」というタイトルの報道がなされた。以下に当該記事内容をそのまま引用する。(以下「NHK記事」という。)

「若い女性の支援活動を行っている都内の団体について、インターネット上に中傷する内容の書き込みをしたとして、四十代の男性が名誉毀損の疑いで書類送検されました。

書類送検されたのは、都内に住む四十一歳の男性です。

警視庁によりますと、おととし九月、性暴力や虐待などの被害に遭った若い女性の支援活動を行っている一般社団法人「Colabo」について、自身が管理するブログに「十代の女の子に生活保護を受けさせ、毎月現金を徴収している」などと書き込んだとして、名誉毀損の疑いが持たれています。

去年十一月に団体が刑事告訴して、警視庁が捜査していました。

調べに対し、ブログに書き込んだことは間違いないとしたうえで「団体がホームページで記載している内容を自分なりに解釈して論評した」などと供述しているということです。」

 NHK記事には「警視庁によりますと」という記載があり、これを私の事務所からNHKへ確認したところ、「一般的に、「警視庁によりますと」と記載した場合は、公式発表を含め、警視庁への取材で確認した情報です。」との回答を得た。しかしながらNHK記事に書類送検されたとされている四十一歳の男性本人は、書類送致の事実についてNHKには一切知らせていないと警察から聞いている旨をX等のSNS上で主張している。これらを踏まえて、以下質問する。

一 NHK記事の内容のうち、捜査機関から提供された情報があるか、政府として把握しているか。把握しているものがあれば提供された情報について具体的に示されたい。

二 捜査機関で保有する捜査情報の情報管理は、国家公務員法、地方公務員法、警察行政に関連する法律、刑事訴訟法、個人情報保護法等の関連法令に基づき適正に管理されているものと承知している。捜査機関においては、従来から、捜査上の秘密の保持について格別の配慮を払ってきたものと承知しているが、これまでに、警視庁等の捜査機関の判断で、NHKの記事にあるような書類送致の事実や書類送致された男性の供述内容をマスメディアに伝える事実はあったか。事実があった場合、どのような場合か具体的に示されたい。

三 「警視庁によりますと」という記載で捜査機関が提供していない情報がマスメディアから報道されている場合、政府は当該マスメディアに対し削除要請等の対応をすべきではないか。またそのマスメディアがNHKであった場合、総務省から注意などの措置を執るべきではないか、見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。