質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第八二号

「高齢者集団自決」を求める発言をした有識者の省庁事業での起用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年三月二十六日

山本 太郎


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   「高齢者集団自決」を求める発言をした有識者の省庁事業での起用に関する質問主意書

一 令和六年三月十五日参議院予算委員会で、私は経済学者を名乗る成田悠輔氏がネット番組で以下の発言をしていることを指摘した。

「唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなことしかない、中略、別に物理的な切腹だけでなくてもよくて」

 そして、私は成田氏がこの発言をしたことを前提に「高齢者は集団自決するべきという言葉、考え方は全くもって不適切であると、どうか総理から国民に対して宣言していただけないでしょうか」と総理に求めた。

 その際の総理の答弁は「発言が不適切であるというのは改めて強く感じますが、その事実について、仮定に基づいてお答えするのは、今は控えます。確認をいたします」というものであった。

1 この答弁の後、総理は上記成田氏の発言があったという事実を確認したか。

2 上記発言を確認した上でこの成田氏の発言について総理は「全くもって不適切である」と国民に対して宣言するか。

二 農林水産省は、令和五年末、成田氏を広報番組に起用すると発表。数日後、成田氏を大臣に見立てた疑似大臣会見なるネット番組を配信した。

 財務省の広報誌「ファイナンス」の令和五年七月号では、成田氏が五ページの記事にゲストで登場し、主計局と主税局の課長が一緒に対談した。

 これについて令和六年三月十五日参議院予算委員会で、私は以下のように総理に求めた。

「農水省やほかにも財務省、そういった起用があったことは間違いであった、不適切であったということは確実にこれは認めていただけなければならない、そういう事案だと思っています。なので、それを確認した後にそのような御発言いただけますか。いかがでしょう。」

 その際の総理答弁は「いずれにせよ、私の判断は、確認した上で判断するべきだと思います」というものであった。

1 この答弁の後、総理は財務省や農水省による成田氏起用の経緯を確認したか。

2 政府として、成田氏のような発言をした人物を政府の事業や広報活動で起用したことは間違いであったと判断しているか。

  右質問する。