第213回国会(常会)
質問第七八号 法務省の人権救済制度に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年三月十九日 浜田 聡
参議院議長 尾辻 秀久 殿 法務省の人権救済制度に関する質問主意書 人権擁護機関における調査救済制度(以下「人権救済制度」という。)は、法務省の訓令である「人権侵犯事件調査処理規程(平成十六年法務省訓令第二号)」(以下「法務省訓令」という。)及び「人権侵犯事件調査処理細則(平成十六年三月二十六日付け法務省権調第二百号人権擁護局長通達)」に基づいて行われている。法務省訓令によると、人権救済制度の目的は「人権侵犯の疑いのある事案について、関係者に対する援助、調整の措置を講じ、又は人権侵犯の事実の有無を確かめ、その結果に基づき、事案に応じた適切な措置を講ずるほか、関係者に対し人権尊重の理念に対する理解を深めるための啓発…を行い、もって人権侵犯による被害の救済及び予防を図ること」とされている。人権救済制度の啓発状況や救済の状況等について、以下質問する。 一 令和五年三月二十四日に法務省人権擁護局が公表した「令和四年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)」によると、令和四年において、新規に救済手続を開始した人権侵犯事件の数は七千八百五十九件であるとされているが、全国の法務局において、人権擁護委員又は法務局職員が受けた人権に関する相談件数は把握しているか。把握している場合、平成二十五年から令和四年までの相談件数を年毎に示されたい。 二 前記一について、離婚事案等の家庭内における人権や、子供の人権に関する相談件数と救済手続を開始した件数はそれぞれ何件あるか、年毎に示されたい。 三 前記二について、離婚事案の場合においては、特に子供がいる家庭の場合は人権侵害の可能性が発生している可能性がある事を踏まえ、離婚調停や離婚裁判等の係争中の当事者に対しては、人権救済制度をすべからく案内すべきではないか、見解を伺う。 四 救済手続が開始された事案については、下記いずれかの対応がなされるものと承知している。 〇【援助】 関係機関への紹介、法律上の助言等を行います。 〇【調整】 当事者間の関係調整を行います。 〇【説示・勧告】 人権侵害を行った者に対して改善を求めます。 〇【要請】 実効的対応ができる者に対し、必要な措置をとるよう求めます。 〇【通告】 関係行政機関に情報提供し、措置の発動を求めます。 〇【告発】 刑事訴訟法の規定により、告発を行います。 〇【啓発】 事件の関係者や地域に対し、人権尊重に対する理解を深めるための働きかけを行います。 前記二に関連して、救済手続を開始した事案のうち、上記のうちどの対応をそれぞれ行ったのか、対応種別ごとに件数を年毎に示されたい。 五 人権救済制度を国民へ周知するために政府が現在行っている取組があれば全て示されたい。 また、国民に対して人権救済制度そのものがあまり認知されていないのではないかと考えるが、政府見解如何。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |