第213回国会(常会)
質問第七二号 NTT法廃止議論に関する再質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年三月十三日 須藤 元気
参議院議長 尾辻 秀久 殿 NTT法廃止議論に関する再質問主意書 私が提出した「NTT法廃止議論に関する質問主意書」(第二百十三回国会質問第四三号)に対する答弁(内閣参質二一三第四三号)が令和六年三月五日に提出された。日本電信電話株式会社等に関する法律(以下「NTT法」という。)廃止に向けた政府見解に矛盾、又は私の質問に対し、意味するところが必ずしも明らかではないとの答弁が見受けられたため、再質問を行なう。 一 答弁の一についてに関連して、政府見解においては、NTT法の「第三条に規定する「電話の役務」には、」メタル回線をベースとした「固定電話及び公衆電話の役務が含まれ、スマートフォンを含む携帯電話の役務は含まれないと解している」とある。ところが、公衆電話の役務は法改正以前の平成の時代に姿を消して絶滅の状態にあり、固定電話の役務に関しては本年一月末にその役務を終えてIP網へ移行させた。 法改正なくして、NTTはメタル回線を廃止してIP網へ移行したという現実との矛盾が生じた背景は何か、政府見解を示されたい。 二 答弁の二についてに関連して、NTT西日本の発表(https://www.ntt-west.co.jp/denwa/2024ikou/schedule.html)によると、固定電話を提供するNTT西日本の局内設備をIP網に切り替えを行なった。コアとなる局内設備においてIP網に切り替えたのであれば、NTTは法改正なくしてメタル回線を廃止したものと解されるが政府見解を示されたい。 三 答弁の三についてに関連して、「研究成果の普及は、国際競争力の強化や経済安全保障の確保等にも留意した」形とあるが、研究成果をライセンスやサービスとして普及させることは国際競争市場における常識である。また、近年では、「オープンソース」という形にプラスアルファしたサービス提供も一般的である。「国際競争力が高まる方法」とは具体的に何か、政府見解を示されたい。 また、政府がいうところの法改正において「経済安全保障を確保する」の具体例は何か。現行法で経済安全保障が確保できなかった具体的な事件を、民事事件、あるいは刑事事件の事件番号付きで示されたい。 四 答弁の四についてに関連して、NTTは全ての技術を公に公開しているわけではなく、ノウハウや特許の非取得という形態で事実上の非開示を取っている技術も多岐にわたり、必ずしもすべての技術を開示しているという事実は存在しない。具体的に「パートナリングを断られるケース」という相手先はどういった企業なのか。また、政府が株式を保有する企業の商業利益を優先させ、国民利益を損ねることを推進するのはいかがと思うが、政府見解を示されたい。 五 答弁の六についてに関連して、政府も御承知の通り、NTT東西は令和六年一月から固定電話網をIP網に段階的に移行しつつ、引き続き固定電話の役務を提供しているものと承知はされているが、「段階的な移行」を開始した時点で最終的にメタル回線である固定電話役務の停止は確定している。既にNTTは法改正なしにメタル回線を利用したサービスの停止を始めているのであれば、既にNTT法第三条に抵触するのではないか。政府見解を示されたい。 右質問する。 |