第213回国会(常会)
質問第四〇号 志賀原子力発電所の損傷した変圧器の耐震性に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年二月二十日 石垣 のりこ
参議院議長 尾辻 秀久 殿 志賀原子力発電所の損傷した変圧器の耐震性に関する質問主意書 令和六年能登半島地震の発災によって北陸電力志賀原子力発電所の変圧器が破損し、いまだに復旧していない。 この状況について令和六年二月四日の読売新聞オンラインに「志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスC」でも壊れる…修理見通し立たず」と見出しのついた記事が掲載された。 この記事に対して、北陸電力は「上記記事の内容は、一方的な憶測や事実誤認による報道であり、読者の誤解を与えかねない内容である」と読売新聞社に対し抗議を行った。 その中で「今回損傷した変圧器は一般産業品と同等の耐震設計(耐震Cクラス)が要求されており、当然ながら、その要求を満たした変圧器を設置しています。その耐震性として五百ガル程度の揺れまで耐えられるというものです。」と記載されている。 ところが、今回の地震で観測した地震動は、志賀原子力発電所で三百九十九ガルだった。 つまり、五百ガル程度の揺れまで耐えられるはずの変圧器が、その五分の四以下の三百九十九ガルの地震動で損傷したことになる。 また、令和四年に原子力発電所を含む発電所でも設置されている三菱電機製の特別高圧以上の変圧器において不適切な検査が行われていたと発表があり、北陸電力の発電所、富山新港火力発電所LNG一号機起動変圧器にもこの不適切な検査が行われていた変圧器が納入されていると調査結果が公表されている。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 今回損傷した変圧器は令和四年に不適切な検査が行われていたと公表された変圧器と同機種の変圧器であるのか明らかにされたい。 二 令和四年に明らかになったのは交流耐電圧試験、温度上昇試験の変圧器の性能に関する試験で不適切な検査が行われていたということだが、この時には耐震性の試験などについて不適切な検査が行われていなかったかの調査は行わなかったのか明らかにされたい。調査をしていない場合はその理由を明らかにされたい。 三 今回損傷した変圧器は三百九十九ガルで損傷しているため、耐震Cクラスの耐震性を有していなかったのではないかと考えられる。北陸電力は変圧器のメーカーに耐震性の有無、損傷した原因等を確認し、その結果を公表すべきだと考えるが政府の見解を伺う。 四 耐震Cクラスの耐震性を有しているとされている変圧器が五百ガル以下の地震動で損傷した事態を考えると、他の原子力発電所において同じ変圧器が使用されているとしたら、災害発生時に同様の事態が起こり得る。今回同様に変圧器が壊れ、仮に外部電源が遮断されても非常用電源を備えているため原子力発電所自体の安全性に問題はないのかもしれないが、本来備えていなければならない耐震基準を満たしていなかったり、地震等の災害で破損する可能性があると分かっているものをそのまま放置しておくのは不適切である。変圧器の交換も含めて対応を検討し、早急に対応すべきだと考えるが政府の見解を伺う。 右質問する。 |