質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第三八号

災害拠点病院における免震化の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年二月十六日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   災害拠点病院における免震化の推進に関する質問主意書

 令和六年能登半島地震により災害拠点病院を含む多くの病院が被災した。

 厚生労働省が令和五年十月に公表した病院の耐震改修状況調査の結果によると、令和四年九月時点で、病院の耐震化率は全国で七十九・五パーセント、このうち、災害拠点病院と救命救急センターでは九十五・四パーセントとなっている。

 国の耐震基準は震度六強から七程度でも倒壊しない強度を求めているが、基準を満たしていても建物に伝わる揺れ全てを軽減できるわけではない。そのため、能登半島地震においても耐震基準を満たしていて病院の建物自体は大きな損傷を受けなかった場合でも、医療機器等が倒れて壊れたり、故障が発生したりし、手術等を行うことができなくなった病院が少なくなかった。

 一方、建て替え等で免震構造になっていた病院では免震装置が地震の揺れを吸収し、建物に揺れが伝わりにくかったことで医療機器が被害を受けることなく手術等を継続することができた。

 大規模な地震が発生した際に、建物の倒壊を防ぐのみならず、被災地域の医療機能を維持し続けられるようにするために、災害拠点病院においては免震化を推進していくことが必要だと考える。

 しかしながら、新築の場合や建て替え時であれば免震構造を採用し、建設することが可能だが、既存の建物の免震構造への改修は不可能ではないものの通常の耐震改修と比較して高額になる。また、厚生労働省の医療提供体制施設整備交付金では病院の耐震化は対象とされているが、免震化は対象外であり、免震化が進まない要因となっていると考えられる。地震がいつ発生するか分からない中で、建て替えが行われる時機が到来するまで免震化を待つ余裕はない。

 入院機能のある医療機関は全て免震化を行う必要があると考えるが、財政面などの実現可能性を考慮すると全てを直ちに免震化するのは困難であるため、まずは災害拠点病院について早急に免震化を行うべきだと考える。その上で、免震化が補助金の対象であるか否かは免震化を推進するに当たり非常に重要な要素となる。

 そこで、災害拠点病院については耐震改修と同等もしくはそれ以上の補助率で免震構造への改修を補助金の対象とすることで、免震構造の病院を増やしていく必要があると考えるが政府の見解を伺う。

  右質問する。