第213回国会(常会)
質問第三〇号 旧ソビエト連邦による北方四島占領に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和六年二月十三日 齊藤 健一郎
参議院議長 尾辻 秀久 殿 旧ソビエト連邦による北方四島占領に関する質問主意書 第二次世界大戦末期の一九四五年二月、アメリカのルーズベルト大統領、イギリスのチャーチル首相、ソビエト連邦(以下「ソ連」という。)のスターリン首相の連合国三首脳が集まったヤルタ会談で、ソ連が一九四一年四月に締結した日ソ中立条約を破棄して対日参戦する見返りに、日本領だった千島列島と南樺太をソ連に引き渡すことで合意した。 そのヤルタ会談で、他にも密約があった。ソ連軍による、一九四五年八月二十八日から九月五日に行われた北方四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)占領作戦に、アメリカはソ連兵の訓練指導に当たり、アメリカの艦船十一隻を投入し、ソ連を軍事支援していた。 こうした史実が判明したのは、根室振興局北方領土対策課が取り組む北方領土遺産発掘・継承事業を進めていく上で、各国の資料を集める中、一九九七年アメリカとソ連の極秘プロジェクトの内実を書いた元アメリカ陸軍少尉リチャード・A・ラッセル氏の著書「プロジェクト・フラ:対日戦争での米ソの秘密協力」の存在を知った。更に、各国の資料や国後島の地元紙「国境にて」の過去記事など各種資料と照らし合わせ、四島占領作戦でアメリカ艦船の使用を突き止めた。 これを、北海道新聞が、根室振興局北方領土対策課の調査結果をもとに、二〇一七年十二月三十日付け朝刊一面のトップ記事「ソ連四島占領 米が援助 艦船貸与、兵訓練…極秘合同作戦 四十五年二~九月」で大きく報じた。 以上を踏まえて、以下質問する。 アメリカとソ連の極秘作戦「プロジェクト・フラ」について、政府の認識と見解を伺う。 右質問する。 |