質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第二〇号

日本PTA全国協議会の会長が同会における不明瞭な会計や決済プロセスの徹底調査等の方針を打ち出したのち、任期の途中で突然解任されたこと等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年二月五日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   日本PTA全国協議会の会長が同会における不明瞭な会計や決済プロセスの徹底調査等の方針を打ち出したのち、任期の途中で突然解任されたこと等に関する質問主意書

 社会教育関係団体であるPTAの活動の趣旨や目的はそれぞれの団体ごとに定められており、全国で様々な活動が行われている。子供たちの健全育成を目的とした活動や、そのための会員相互の学び、学校支援活動や地域での諸活動など、PTAが実施する活動は、これまでも地域や学校において大変重要な役割を果たしてきている。PTAにはそれぞれの地域ごとに協議会という任意団体が結成されており、各都道府県・指定都市六十四協議会により構成する保護者と教職員の全国組織として公益社団法人日本PTA全国協議会(以下「当該法人」という。)が存在する。昨今、当該法人の正会員であったさいたま市PTA協議会は令和五年十二月二十二日に当該法人の脱退を表明し、その理由について、当該法人に対する公開質問状(以下「質問状」という。)に十分な回答が無い事等とされている。質問状には、当該法人の総会において前会長が約束した不明瞭な会計や決済プロセスの徹底調査等について言及されており、埼玉新聞では「日P協会館(東京都港区)の修繕費に約二千万円が支出され、受注したのはさいたま市内の業者だった」等と報道されている。また当該法人は同年九月七日に記者会見を開き、不明瞭な会計や決済プロセスの徹底調査を正会員と約束した前会長を事務局員へのハラスメント行為を理由に解職した旨説明したが、前会長も同日に記者会見を開き、当該法人の現執行部に対し名誉棄損等の法的措置を検討すると表明している。

 租税などの国民負担や子育てに係る負担への関心が高まる昨今において、保護者から徴収されるPTA会費の一部が納められている当該法人への事業の透明性確保は子育て世帯にとって極めて重要であり、学校に通う子供を支えるという大きな役割を担い、地域の教育委員会とも連携を深めるPTA協議会の全国組織である当該法人に関する問題はこども・子育て政策を主要政策として掲げる政府においても極めて重要な問題と考え、これらを踏まえて、以下質問する。

一 行政改革推進本部より平成二十年三月三十一日に発出された「指定等法人に対する国の関与等の透明化・合理化について」によると、指定等法人が講ずべき措置の一つに「会計処理の明確化及び透明化」のほか、料金の適正性、透明性の確保(料金及び積算根拠のインターネットによる公開)があるが、公益法人に対する情報公開の在り方の見解については、現在の政府においても変わりないか。

二 当該法人は、公益法人でありながら当該法人の正会員であったさいたま市PTA協議会が発出した当該法人の会計に関する質問に十分回答していないとされている。質問状で問題視されている当該法人の会計や決済プロセスについて、政府が当該法人に対し、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第二十七条第一項に定められた検査を行う考えはあるか。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。