質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第一四二号
  令和五年十二月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出ワークルール教育の強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出ワークルール教育の強化に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「労働法制に関するリテラシー」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、平成三十年十二月二十八日に閣議決定した「労働政策基本方針」において、「多様な就業形態が増加する中で、労働関係法令や各種ルールについて知ることは、労働関係の紛争や不利益な取扱いの未然の防止に役立つとともに、働き方を選択する上で重要であるため、高校生などの若年者に対して、労働関係法令や社会保障制度に関する教育を推進する」としており、こうした方針の下、厚生労働省においては、青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和四十五年法律第九十八号)第二十六条の規定や過労死等防止対策推進法(平成二十六年法律第百号)第九条の規定等に基づき、労働関係法令の教育を推進している。具体的には、例えば、労働関係法令の内容を分かりやすくまとめ、労働基準監督署等が御指摘の「相談窓口」であることなども掲載した教材を作成し、全国の高等学校等に提供しているほか、高等学校等からの要請に応じて、都道府県労働局等の職員や、労働問題に関する有識者、過労死された方の遺族等を講師として派遣しているところである。引き続き、御指摘の「高校生や学生等若者」にとって、より分かりやすい教材の作成や効果的な周知などの取組を推進してまいりたい。

 また、文部科学省においては、学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第八十四条の規定に基づき、高等学校学習指導要領(平成三十年文部科学省告示第六十八号)を定めており、同要領においては、全ての生徒が履修する必履修科目公民科公共において、「「雇用と労働問題」については、仕事と生活の調和という観点から労働保護立法についても扱うこと」としているところである。

二について

 御指摘の「ワークルール教育」について、明確な定義はないものと承知しており、前段のお尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、労働関係法令の教育については、民間団体等においても、様々な取組がなされているものと承知している。また、後段のお尋ねについても、一概に評価することは困難であるが、労働関係法令等について知ることは、労働関係の紛争や不利益な取扱いの未然の防止に役立つとともに、働き方を選択する上で重要であると考えている。

三について

 政府としては、一についてで述べたように、現行法の規定等に基づいて、様々な形で、必要な労働関係法令に関する教育の推進に取り組んでいるところであり、引き続き、二についてで述べた考え方の下、これらの取組を推進してまいりたい。