質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第一三六号
  令和五年十二月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出介護保険料の引上げ検討に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出介護保険料の引上げ検討に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、社会保障の給付と負担の姿を幅広く共有するための議論の素材を提供するため、「二千四十年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(平成三十年五月二十一日経済財政諮問会議提出)を公表しており、その中で、御指摘の「今後の介護保険料」についても「一人当たり保険料・保険料率の見通し」を示しているところである。

 なお、御指摘の「六十五歳以上の方の介護保険料」の在り方については、「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和四年十二月二十日社会保障審議会介護保険部会)において、「国の定める標準段階の多段階化、高所得者の標準乗率の引上げ、低所得者の標準乗率の引下げ等について検討を行うことが適当である」とされたところであり、同部会での議論及び予算編成過程における調整を踏まえ、令和五年十二月二十二日の同部会において「第一号保険料に関する見直しの成案(標準九段階から標準十三段階への見直し)」を示したところである。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「六十五歳以上」の介護保険の第一号被保険者(以下「第一号被保険者」という。)に係る介護保険料は、介護保険サービスの利用者に限らず、第一号被保険者全体に対して賦課及び徴収を行うものであり、必要な介護サービスに係る給付に要する費用について、負担能力に応じた負担とする観点から、所得の状況等に応じた段階的な保険料率となる制度となっているところである。

三について

 御指摘の「所得基準」については、国会における審議を経て成立した介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第四十九条の二及び第五十九条の二の規定に基づき、政令で定めることとされたものであり、「介護保険の利用者負担の見直し」に当たっては、社会保障審議会介護保険部会において、過去の制度改正に関する調査研究の結果等を踏まえつつ、高齢者本人や高齢者の家族の団体の代表者など幅広い委員の参画を得て、丁寧な議論が行われているところである。