第212回国会(臨時会)
内閣参質二一二第一二八号 令和五年十二月二十六日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員牧山ひろえ君提出次元の異なる少子化対策のうち、「児童手当」に係る諸課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員牧山ひろえ君提出次元の異なる少子化対策のうち、「児童手当」に係る諸課題に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねについて、扶養控除の見直しについては、「令和六年度税制改正の大綱」(令和五年十二月二十二日閣議決定)において、「十六歳から十八歳までの扶養控除について、十五歳以下の取扱いとのバランスを踏まえつつ、高校生年代は子育て世帯において教育費等の支出がかさむ時期であることに鑑み、現行の一般部分(国税三十八万円、地方税三十三万円)に代えて、かつて高校実質無償化に伴い廃止された特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(国税二十五万円、地方税十二万円)を復元し、高校生年代に支給される児童手当と合わせ、全ての子育て世帯に対する実質的な支援を拡充しつつ、所得階層間の支援の平準化を図ることを目指す」としているとおりである。 二の1について お尋ねについて、御指摘の「定額減税」については、令和五年十一月十五日に内閣総理大臣官邸で行った政労使の意見交換において岸田内閣総理大臣が「来年六月のタイミングで、本人・扶養家族を問わずに一人当たり計四万円、約九千万人を対象に、所得税・住民税の定額減税を実施いたします。子供二人の子育て世帯では十六万円の減税となり、子育て支援型減税とも言えるものです」と述べているところ、「児童手当拡充」は、「こども未来戦略」(令和五年十二月二十二日閣議決定。以下「戦略」という。)において、令和六年十月分から所得制限を撤廃し、高校生年代まで延長することとしており、例えば三歳以上の児童のうち第一子及び第二子については月額一万円の児童手当が支給されるところ、「定額減税」の扶養親族一人分の額が、「児童手当拡充」により児童手当の支給対象となる者に対し同年六月から九月までの四か月分の児童手当を支給したと仮定した場合の当該手当の額に相当すること等から、「定額減税」の実施は「児童手当拡充」の前倒しと同様の効果もあるものと考えている。 二の2及び3について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「児童手当拡充の前倒し」については、戦略において、「このままでは、二千三十年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減することになり、少子化はもはや歯止めの利かない状況になる。二千三十年代に入るまでのこれからの六~七年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであり、少子化対策は待ったなしの瀬戸際にある。・・・具体的政策について、「加速化プラン」として、今後三年間の集中取組期間において、できる限り前倒しして実施する」としているとおりである。また、「児童手当拡充」に当たっては、児童手当の実施主体である地方自治体において必要となる準備期間等を考慮し、戦略において児童手当の拡充後の初回の支給時期を令和六年十二月としており、御指摘の「更なる支給時期の前倒し」を行うことは困難である。 |