質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第一一三号
  令和五年十二月二十二日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員髙良鉄美君提出米軍嘉手納飛行場等における航空機騒音規制措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員髙良鉄美君提出米軍嘉手納飛行場等における航空機騒音規制措置に関する質問に対する答弁書

一について

 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条1の規定に基づき設置された合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)における平成八年三月二十八日の嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合意(以下「航空機騒音規制措置に関する合意」という。)により、「夜間訓練飛行は、在日米軍に与えられた任務を達成し、又は飛行要員の練度を維持するために必要な最小限に制限される。部隊司令官は、できる限り早く夜間の飛行を終了させるよう最大限の努力を払う」とされている。

 これを受けて、政府としては、累次の機会に、航空機騒音規制措置に関する合意を遵守し、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう米軍に申入れを行ってきているところであるが、個別のやり取りについては、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

二及び三について

 一についてで述べたとおり、嘉手納飛行場及び普天間飛行場については、飛行時間の規制等を含む航空機騒音規制措置に関する合意がなされており、航空機の運用については、航空機騒音規制措置に関する合意に従って行われていると認識している。政府としては、引き続き、米軍に対し、航空機騒音規制措置に関する合意の遵守等を通じて、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう粘り強く働きかけていく考えである。

四について

 自動騒音測定装置は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条に規定する第一種区域等において、航空機の離陸、着陸等により生ずる音響の強度、発生回数、発生時刻等を継続的に測定し、騒音状況を継続的に把握することを目的として設置しているものであって、特定の施設に設置することを目的とするものではないことから、その設置場所については、施設名等を掲載していない場合がある。また、自動騒音測定装置の位置図等については、沖縄防衛局を含む各地方防衛局及び東海防衛支局のホームページにおいて掲載している。

五について

 防衛省としては、普天間飛行場の飛行経路を客観的に把握するため、平成二十年八月二十八日から同飛行場に離着陸等する航空機の航跡の調査を実施し、当該調査の報告書を作成しており、例えば、令和三年度の当該調査においては、全般的に場周経路に沿った航跡を確認している。また、このような調査は同飛行場のみで行っているものである。

六について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、米軍は全く自由に飛行訓練等を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであると考えており、累次の機会に米側に対し、米軍機の飛行に際しては、航空機騒音規制措置に関する合意を含む関連する日米合同委員会における合意事項を遵守し、安全面に最大限の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう、申入れを行っているところである。