第212回国会(臨時会)
内閣参質二一二第六六号 令和五年十二月五日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員神谷宗幣君提出外国人留学生の増加に対応する日本語教育の体制整備に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出外国人留学生の増加に対応する日本語教育の体制整備に関する再質問に対する答弁書 一について お尋ねの「改善」の意味するところが必ずしも明らかではないが、外国人が我が国において生活するために必要な日本語能力を身に付けられる環境を整備するためには、御指摘の日本語教育に従事する者の「職務形態」及び「年代」を問わず、一定以上の能力を有する日本語教育に従事する者を十分に確保することが必要であると考えており、「いつまでに、どのような構成」を目指しているのかとのお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 二について お尋ねの「国家資格保持者のための受け皿の用意」については、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和五年法律第四十一号。以下「法」という。)において、日本語教育を行うことを目的とした課程を置く教育機関(以下「日本語教育機関」という。)のうち、日本語教育を適正かつ確実に実施することができる旨の文部科学大臣の認定を受けたもの(以下「認定日本語教育機関」という。)において日本語教育課程を担当する教員は、法第十七条第一項の登録を受けた者(以下「登録日本語教員」という。)でなければならないとしており、登録日本語教員の就業の機会の確保を図っているところである。 お尋ねの「日本語教師の処遇改善」については、令和五年五月十七日の参議院本会議において、永岡文部科学大臣(当時)が「登録日本語教員の国家資格化を契機として、日本語教師の社会的地位が高められ、その専門性が適切に評価され、さらに処遇改善へつながることで、日本語教師を目指す方が増えていくことが期待されます。」、「国のサイトにおける研修履歴の蓄積、掲載など、キャリア証明に資する仕組みを検討するほか、登録日本語教員を対象とした研修等を充実させ、その専門性向上を支援する予定です。こうした取組や新制度の活用により、登録日本語教員の処遇改善につなげてまいります。」と答弁したとおりである。 三について 御指摘の「受入れ体制が整備できていない現状」及び「日本語教育の体制が整備されるまで」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部及び専修学校(以下「大学等」という。)への外国人留学生の受入れについては、入学時において、学修に必要な語学力を有することを各大学等がそれぞれの責任において確認しているものと承知しており、また、日本語教育機関への外国人留学生の受入れについては、法施行後は、在留資格の付与について新制度への移行に伴う必要な措置を講じた上で、認定日本語教育機関に留学する者に対してのみ「留学」の在留資格を認めていく方向で検討しており、さらに、外国人労働者の受入れについては、令和五年四月十八日の参議院法務委員会において、齋藤法務大臣(当時)が「専門的、技術的分野の外国人については、我が国の経済社会の活性化に資する、そういう観点から積極的に受け入れていく、それ以外の分野につきましては、日本人の雇用、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安など、幅広い観点から、国民的コンセンサスを踏まえつつ政府全体で検討していく、こういう考え方に基づいて外国人材を受け入れているところでございます。」と答弁しているところであり、「性急な外国人受入れ」との御指摘は当たらないと考えている。 |