質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第六二号
  令和五年十二月五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石垣のりこ君提出生活保護行政の適切な運用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出生活保護行政の適切な運用に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「保護費を毎日少額ずつ支給すること」の適否については、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号。以下「法」という。)第十九条第四項に規定する保護の実施機関(以下「保護の実施機関」という。)において、要保護者の家計管理の状況等を踏まえて適切に判断されるべきものと考えている。また、御指摘の「支給決定額を全額支払わないこと」については、決定した支給額は、その変更等がない限りその額が支給されるべきものと考えている。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、法第四条第一項においては、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」とされており、要保護者の利用可能な稼働能力の活用についても保護の要件としているところ、要保護者がその稼働能力を活用しているか否かについては、「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和三十八年四月一日付け社発第二百四十六号厚生省社会局長通知)において「①稼働能力があるか否か、②その具体的な稼働能力を前提として、その能力を活用する意思があるか否か、③実際に稼働能力を活用する就労の場を得ることができるか否か、により判断すること」と定めており、保護の実施機関において、要保護者の状況等を踏まえ、総合的に判断されるべきものと考えており、御指摘の「求職活動をすること」を一律に保護の要件としているものではない。

三及び四について

 御指摘の「同様の不適切な運用」、「不適切な対応」及び「不適切事例」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてでお答えしたとおり、決定した支給額が支給されるべきことは明らかであることから、御指摘の「調査」を行う必要があるとは考えていないが、いずれにせよ、保護の決定及び実施が要保護者に対して適切に行われるよう、引き続き、各地方公共団体に対し必要な周知を図ってまいりたい。