質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第四五号
  令和五年十一月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員石垣のりこ君提出福島第一原子力発電所の多核種除去設備(ALPS)で作業員が洗浄廃液を浴びた事故現場の仮設ホース、仮設タンクに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出福島第一原子力発電所の多核種除去設備(ALPS)で作業員が洗浄廃液を浴びた事故現場の仮設ホース、仮設タンクに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「仮設の設備」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)において、例えば、水を移送するホースやポンプ、作業のための電力を供給する電源やケーブル等を一時的に使用し、機器のメンテナンス等が行われているものと承知している。

二について

 お尋ねについては、現在、原子力規制委員会が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第六十四条の三第七項の規定に基づく検査を行っているところであり、現時点において、お尋ねの「実施計画の項目」についてお答えすることは困難である。

三について

 お尋ねについては、個別の事案に関することであり、お答えすることは差し控えたいが、一般論として、御指摘の「硝酸を取り扱う作業」については、特定化学物質障害予防規則(昭和四十七年労働省令第三十九号)により、事業者に対し、特定の作業に労働者を従事させるときは、保護具を使用させなければならない等の必要な措置を義務付けている。

四及び五について

 御指摘の「常設設備」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、設備が一時的に使用するものか否かにかかわらず、原子炉等規制法第六十四条の三第五項の規定に基づき、東京電力は、福島第一原発の保安のための措置を実施しなければならないこととされており、必ずしも御指摘のように「今後、安全に作業を行う為には仮設ホース、仮設タンクではなく常設設備を設けるべき」及び「常設設備が完成するまでALPSの稼働を停止すべき」とは考えていない。