第212回国会(臨時会)
内閣参質二一二第四一号 令和五年十一月十七日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 松野 博一
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員舩後靖彦君提出障害年金の障害等級に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員舩後靖彦君提出障害年金の障害等級に関する質問に対する答弁書 一の1について 御指摘の「裁定件数、不支給・却下件数」は、それぞれ、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十六条の規定による裁定(障害基礎年金に係るものに限る。以下同じ。)を行った件数、同法第三十条等の支給要件への非該当(以下単に「非該当」という。)の件数及び裁定の請求に対する却下(以下単に「却下」という。)の件数を指すものと理解しているが、裁定の件数及び非該当の件数については、日本年金機構(以下「機構」という。)が毎年度作成している「障害年金業務統計」において公表されており、却下の件数については、機構において把握されているものと承知しているところ、その公表の方法や時期については、現在検討しているところである。なお、令和四年度における却下の件数は五百三十一件である。 また、御指摘の「不支給・却下の理由別件数」は、非該当及び却下の理由別の件数を指すものと理解しているが、裁定に当たっては、裁定を受けようとする者の請求の内容に基づき、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(昭和六十一年三月三十一日付け庁保発第十五号社会保険庁年金保険部長通知)に沿って障害認定審査医員が医学的に総合判断を行い、機構において障害の程度の認定を行っているところ、非該当及び却下の理由は、個々の障害の程度等に応じて様々であり、類型化が困難であることから把握していないため、当該件数については、公表していない。 一の2について 非該当のうち御指摘の「障害等級二級以上に該当」しないものの件数について、統計的に把握しておらず、把握するための集計に時間を要することから、お尋ねについてお答えすることは困難である。 二について お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。 なお、障害者の権利に関する条約(平成二十六年条約第一号)第一条第一文においては、全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とすることが規定されており、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)や障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)等の様々な国内法の整備が進められている。また、障害者の雇用の促進等に関する法律第一条においては、障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もって障害者の職業の安定を図ることを目的とすることが規定されており、政府としては、同法第六条の規定に基づき、障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ総合的かつ効果的に推進するように努めている。さらに、平成十三年五月に開催された第五十四回世界保健総会において採択された国際生活機能分類(以下「ICF」という。)は、平成三十年五月十一日の参議院本会議において、加藤厚生労働大臣(当時)が、「人間が生きている状態そのものを生活機能と捉え、あらゆる健康状態に関係した生活機能からその人を取り巻く社会制度や社会資源までを分類し、記述、表現しようとする」ものと述べたとおりであるが、政府としては、ICFの視点を基に、障害福祉サービスの利用者の実際の活動及び社会参加の状況並びに地域で活用可能な社会制度や社会資源の状況を考慮した支援等が行われるよう、制度の整備を行ってきたところである。 |