質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一三五号

介護の人手不足対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十二月十三日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   介護の人手不足対策に関する質問主意書

 高齢者人口の増加とともに、介護保険制度における要介護者等の数は増加しており、介護人材の確保が一層重要となっている。しかし、厚労省が令和五年八月に公表した令和四年「雇用動向調査」によると、「医療・福祉」産業の入職超過率はマイナスとなり、離職者が入職者より多い離職超過状況になったとされている。また、介護就労者の数についても減少に転じており、昨年は約六万三千人もの人材が流出したと見られている。

 厚労省の試算では二〇四〇年度には約二百八十万人の介護人材が必要になるとされており、二〇一九年度と比べて約六十九万人が不足すると言われている。しかし、冒頭に述べた足元の状況を踏まえると、政府のこれまでの取組の甘さを指摘せざるを得ない。以上を踏まえ、以下質問する。

一 政府は令和五年度補正予算では、介護職員の収入を月額平均六千円相当引き上げるための措置を行うとしているが、介護職員の給与と全産業平均との差を考えれば、果たしてこれで本当に介護人材の他産業への流出を防ぐことができるのか。政府の認識を伺う。

二 そもそも、政府がどれだけ制度を整えたとしても、それが現場の介護就業者に届かなければ意味がない。政府が昨年実施した介護職員の処遇改善では、一定数の対象施設が制度を活用していないとの調査結果も出ており、申請の事務負担が大きいことが考えられる。令和五年度補正予算では、「介護職員処遇改善加算等の取得促進支援事業」として、加算の取得率の向上や、令和六年度報酬改定による三種類の加算の見直しに向けた対応を支援するとされている。

1 まず、令和五年度補正予算による加算の取得率向上に向けた取組の具体的内容を伺う。

2 また、政府の検討する処遇改善加算の一本化について、現行の加算を取得している事業所がスムーズに移行できるよう配慮されることや、簡素な仕組みとすることが必要と考えるが、現在の検討状況を伺う。

  右質問する。