質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一三一号

労働組合のない事業場における従業員代表の課題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十二月十三日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   労働組合のない事業場における従業員代表の課題に関する質問主意書

一 適正に過半数代表者が選出され、過半数代表者の円滑な事務を担保するには、労働基準監督署による管理・監督機能が不可欠である。しかし、以前から指摘されているように労働基準監督官の数はまだまだ十分な数とは言えない。しかも、働き方改革への対応など労働基準監督官に求められる役割は近年一層大きくなっており、監督業務に従事する監督官の増員は急務であると考える。

1 そこで、働き方改革関連法が施行されて以降、監督業務に従事する労働基準監督官がどの程度増員されたのか、示されたい。

2 また、過半数代表者を不適切に選出した事例や、過半数代表者に不利益な取扱いを行った事例などについて、労働基準監督署から指導・勧告を行ったケースがどの程度あるのかについても併せて明らかにされたい。

二 「従業員代表制法案」の検討について

 現行の労働法制を担保するための最後の砦は労働基準監督署による指導・勧告等の措置となっている。一方、労働環境の整備や労働契約については、基本的に労使交渉が前提となるため、国による介入は最終手段とならざるを得ない。

 確かに過半数代表者の選出については、労働基準法施行規則等により基本的なルール自体は定められている。

 しかし、従業員代表者を真に民主的なプロセスで選出し、かつ、従業員の代表としての機能を持たせるためには、過半数代表者の選出を労働関係法令の個々の規定に委ねるのではなく、包括的な「従業員代表制法案」のようなものを新たに設ける必要があるのではないか。

 例えば、各事業場に従業員代表委員会のような恒常的な組織を設置し、そこで全従業員の意見を適切に集約できるような法的枠組みを整備することなどが考えられる。

 こうした仕組みの法制化に関する政府の見解を伺う。

  右質問する。