質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一二六号

「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会の状況と今後に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十二月十三日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会の状況と今後に関する質問主意書

 二〇二四年四月から、自動車の運転業務の時間外労働について年九百六十時間の上限規制が適用されることなどにより、輸送力が不足し今のようには荷物を運べなくなる可能性がある。この「物流の「二〇二四年問題」」に関連し、消費者庁では「送料無料」表示の見直しに取り組んでいると承知している。

 「送料無料」は、通常、消費者が、送料という費目を別途支払うことなく、商品を購入できることを表しており、インターネットで検索する際、「送料無料」の商品を選びたくなる、魅力的な言葉となっている。しかしそこには問題点があり、「安価な商品であってもまとめ買いすることなく単品で購入し、何回配達してもらっても気にならない」、「配達日時に不在にして再配達をしてもらっても、ドライバーさんには悪いと思うが、「送料無料」だからそこまで気にしない」などの認識を消費者に引き起こすことが指摘されている。

 二〇二一年六月に閣議決定された「総合物流施策大綱(二〇二一年度~二〇二五年度)」では、「物流に携わる労働者の社会的価値が高まる一方、商取引において、物流業務は無償で提供されていると誤解を招くかのような表現は見直しが求められるところである。」と記載された。

 また、二〇二三年六月、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」で「物流革新に向けた政策パッケージ」がとりまとめられ、「運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきという観点から、「送料無料」表示の見直しに取り組む」こととされた。

 これを受けて消費者庁は、本年六月から「「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会」を開催し、トラック業界や通販業界、消費者団体等から意見を聴取している。

一 意見交換会においては、どのような意見が出ているのか。概要をご説明されたい。

二 この意見交換会は、十一月八日時点で九回開催されている。二〇二四年が目前に迫っている今、早急に消費者庁としての政策の方向性を取りまとめる必要性があるのではないか。この問題への対応に関するスケジュール感についてもあわせて示されたい。

三 「総合物流施策大綱」にあるように、「商取引において、物流業務は無償で提供されていると誤解を招く」ことが問題なのであり、消費者の支払総額だけを見て、商品価格に送料が含まれていて「送料無料」と表示されている場合であっても、送料別でも総額が同じだから問題ないということではない。無料の表記は物流の背後にある労働への想像力を欠如させる結果となっており、「送料無料」の表示を禁止してほしいとの意見はもっともなのではないか。この問題提起に関する現段階においての政府の認識を伺う。

  右質問する。