質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一〇一号

不登校児童生徒や不登校経験者の学校における評価に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十二月十二日

水野 素子


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   不登校児童生徒や不登校経験者の学校における評価に関する質問主意書

 令和四年度の文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」において、国公立、私立の小中学校の不登校児童生徒が過去最多の約二十九万九千人いることが明らかになるなど、不登校の問題は更に深刻化しており、不登校の児童生徒への対応に加えて、不登校経験者の学び直し支援を強化することが急務となっている。

 各学校が、不登校児童生徒や不登校経験者を、一人ひとりの状況に鑑みて適切に評価することは、学び直し支援において極めて重要である。例えば、文部科学省は令和元年十月二十五日の初等中等教育局長通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」において「高等学校入学者選抜について多様化が進む中、高等学校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生徒について、これを適切に評価することが望まれる」としている。また、令和五年六月十六日の同省局長通知「今後の高等学校入学者選抜等における新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた配慮等について」においては「高等学校入学者選抜について多様化が進む中、高等学校で学ぶ意欲や能力を有する不登校経験を有する生徒について、在籍する学校における出席の状況のみをもって不利益な取り扱いをしないようにするとともに、生徒自身の自己申告書や学校以外の場(家庭におけるオンライン学習を含む。)における学習状況に係る資料等を選抜において適切に勘案するなどの配慮を行うことが望まれます」としている。

 同省の「令和四年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」によれば、複数の県が「調査書の一部(学習の記録や出欠の記録)を選抜の資料として用いない」取組を、全校もしくは一部の学校で実施しているなど、不登校生徒をより適切に評価するための取組は進みつつあるものの、都道府県によってバラつきがある。住む地域にかかわらず、不登校経験者に学ぶ機会や選択肢を保証するためにも、入学者選抜等の評価において、不登校期間の長さやその後の学習努力等を勘案した評価の実施等に関する具体的な指針を政府として策定すべきと考えるが、見解と理由を示されたい。

  右質問する。