質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第八七号

地方自治体に償還義務のある臨時財政対策債を、地方自治体が地方交付税と誤解している可能性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十二月十一日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   地方自治体に償還義務のある臨時財政対策債を、地方自治体が地方交付税と誤解している可能性に関する質問主意書

 臨時財政対策債(以下「臨財債」という。)は、地方一般財源の不足に対処するため、投資的経費以外の経費にも充てられる地方財政法第五条の特例として発行される地方債であり、臨財債の発行については、制度が始まった当初、平成十三年度より平成十五年度の三カ年度限りとされていたが、その後毎年度の地方交付税法等の改正で、基本的に三年ごとに発行年度が更新されている。このため臨財債は、地方債の一種である以上、臨財債を発行した地方自治体が償還義務を負っていることは自明である。しかしながら、総務省ホームページにおいて臨財債は、「その元利償還金相当額については、全額を後年度地方交付税の基準財政需要額に算入することとされ、各地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう措置されています。」と説明されており、明らかに他の地方債と性質が異なる。また、これにより、臨財債の元利償還金の全額が後年度に交付税措置される点をもって、臨財債を「実質的な地方交付税である」とホームページで説明している自治体が複数存在し、地方自治体によって臨財債の償還義務に関する認識の差が生じている。これら臨財債と他の地方債との性質の違いによる会計区分の取扱いや償還義務等について政府見解を明らかにすべきと考え、以下質問する。

一 臨財債の償還義務を負うのは国であるか、地方自治体であるか。政府見解を示されたい。

二 臨財債は他の地方債と比較して明らかな性質の違いがあることから、決算カードや政府が作成する財務書類等において、他の地方債と臨財債を区別して表記すべきと考えるが、政府見解如何。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。