第212回国会(臨時会)
質問第六三号 不動産の流通に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和五年十一月二十四日 齊藤 健一郎
参議院議長 尾辻 秀久 殿 不動産の流通に関する質問主意書 不動産流通に関する問題について、以下質問する。 一 平成二十一年にとりまとめられた「社会資本整備審議会産業分科会不動産部会「中間とりまとめ」」において、「宅地建物取引業者(以下「宅建業者」という。)は、最も身近な既存住宅の取引に関する専門家であるので、宅地建物取引業の業務に併せて、新たに一般購入者に対して、わかりやすい情報提供の工夫や、関連する情報の提供、コンサルティング的な役割を果たすことが期待される。」旨提言されている。 しかし、現在も宅建業者と相手方との間で「言った、言わない」によるトラブルが多く発生している。国土交通省が公開している「宅地建物取引業法施行状況調査」で、同省等へ来庁し相談された苦情紛争相談件数を取り上げているが、法テラス(日本司法支援センター)や国民生活センターなどに寄せられた不動産取引に係る相談の内容や件数等について、政府は把握されているのか伺う。また、把握していない場合、把握する必要があると考えるが、政府の見解は如何。 二 宅地建物取引業法(以下「宅建業法」という。)六十四条の五では、宅地建物取引業保証協会による苦情解決申出の手続が設けられているが、重要事項説明ではその旨の告知義務は無い。また、企業においては「お客様相談窓口」などを設けているが、対応は区々であるためトラブルが後を絶たないばかりか、企業内で苦情解決が図られた中には、法が定める保証協会の苦情解決申出手続にて処理が可能な事案にもかかわらず、同協会に届かないものもあると承知している。この現状について、指導監督を強化していくべきと考えるが、政府の見解は如何。 三 宅建業法第三十五条で定められる重要事項説明書で、宅地・建物と取引条件に関する重要事項を理解し、十分な情報を得た上で契約を締結するかどうかの判断をできるよう求められている。近年では、実務上は重要事項説明の時点より前に、当該物件についての告知書の提供が望ましいということも指摘されている。しかしながら、仲介業者による「言った、言わない」トラブルが発生している状況においては、全ての告知内容・発言について参照可能な文書で交わすことが必要であると考えるが、政府の見解は如何。 右質問する。 |