第212回国会(臨時会)
質問第五一号 技能実習で在留する外国人の失踪者の割合が一・八%と高いことに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和五年十一月十六日 浜田 聡
参議院議長 尾辻 秀久 殿 技能実習で在留する外国人の失踪者の割合が一・八%と高いことに関する質問主意書 外国人労働者を受け入れる際によく利用されるのが「特定技能」と「技能実習」である。特定技能は日本の人手不足を補うための制度であり、技能実習は日本で習得した技術を母国に持ち帰って広めてもらうという国際貢献のための制度である。両制度は目的が違う他に受入れが可能な職種や在留期間も違う。何より違うのは、特定技能は「特定技能評価試験」と「日本語能力試験」の合格が条件だが、技能実習の場合は介護職種のみ日本語能力検定N四レベルであることが求められるが、その他の職種では特に試験はない。特定技能は就労する分野の知識が一定以上あることが条件であるが、技能実習は入国前に特定の技能を習得する必要がない。そのことから特定技能での在留者数は令和三年末において約五万人、技能実習での在留者数は約二十八万人となっており人数に大きな開きが生じている。 そこで、目的が違う二つの外国人労働者を受け入れる制度があることから以下に政府の見解を伺う。 一 特定技能で在留する外国人の令和三年における行方不明者数は七十六人であり〇・一四%の行方不明率であるのに対し、技能実習で在留する外国人の失踪者数は七千百六十七人で一・八%という高い失踪率になっている。特定技能外国人の行方不明がまれである理由としては、転職が可能であることが大きいと思われる。そのことを踏まえて技能実習でも職場や人間関係について悩みや不満があった場合は他社に転職することができるようにしては如何か。 二 特定技能の在留者の行方不明が少ないことから、それに倣い技能実習での外国人の受入れ体制や支援方法などを見直してみることで失踪は防ぐことができるのではないか。政府の見解を伺う。 三 技能実習での在留許可を出す条件を見直すことで失踪の多い現状を改善することができると思料するが政府の見解を問う。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。 右質問する。 |