質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第三五号

福島第一原子力発電所で発生した作業員が洗浄廃液を浴びた事故について復興大臣が報道で知ったことに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十一月二日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   福島第一原子力発電所で発生した作業員が洗浄廃液を浴びた事故について復興大臣が報道で知ったことに関する質問主意書

 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に廃液が飛散して、作業員が放射性物質を含む廃液を浴びた事故について、令和五年十月三十日の衆議院予算委員会で立憲民主党の岡本あき子議員より「事故についていつ知ったか」という質問に対して、土屋品子復興大臣は「報道で知った」ことを明らかにした。

 福島第一原子力発電所の事故の処理は、福島県をはじめ被災地の復興に欠かすことが出来ない重要な課題であるにもかかわらず、東日本大震災からの復興を所管する復興大臣が福島第一原子力発電所の事故処理に関わる作業で発生した事故について、東京電力からでも経済産業省からでもなく、報道で知るというのは非常に問題だと考える。

 原子力災害対策特別措置法第十条において、原子力防災管理者に義務が課されている通報の相手は内閣総理大臣及び原子力規制委員会、所在地方公共団体等ではあるが、原子力発電所について所管する経済産業大臣に対して報告が行われていることを考えると復興大臣に対しても同様に報告を行うべきだと考える。

 また、令和三年四月九日の参議院東日本大震災復興特別委員会で紙智子議員から「今日のNHKの昼のニュースで、十三日にも関係閣僚会議を開き、海洋放出を決定する方針を固めたという報道が昼にありました。これは事実でしょうか。御存じでしょうか。」と質問された平沢勝栄復興大臣が「私は全く聞いておりません。閣僚会議の案内、私もメンバーですけれども、その案内も、少なくとも私が復興庁を出るときには一切来ておりません。」と答えたこともあった。このような政府の政策決定過程においても復興大臣が蔑ろにされることがあってはならないと考える。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 岡本あき子議員からの質問に対して、岸田文雄内閣総理大臣も「関係省庁の連携、意思疎通は重要なこと」「今一度点検したい」と発言しているが、福島第一原子力発電所において原子力災害対策特別措置法の規定によって、原子力防災管理者が通報すべき事項が発生した時に復興大臣にも報告、情報共有を図るべきだと考えるが政府の所見を伺う。

二 事故や災害のみならず福島第一原子力発電所に関係する事項については逐一復興大臣に報告し、意見を聴取すべきと考えるが政府の所見を伺う。

  右質問する。