質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一四号

大阪・関西万博パビリオン建設で時間外労働の上限規制の対象外とすることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十月二十日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   大阪・関西万博パビリオン建設で時間外労働の上限規制の対象外とすることに関する質問主意書

 二〇二五年日本国際博覧会いわゆる大阪・関西万博のパビリオンの建設が大幅に遅れていることを受けて、十月十日の自由民主党の大阪・関西万博推進本部の会合でパビリオン建設を時間外労働の上限規制の対象外とすべきだとの趣旨の意見が多数出たと報じられている。

 報道によると、推進本部事務局長の松川るい参議院議員は会合後、記者団に残業規制の適用除外を求める意見があったのかを問われ、「非常事態であるから、残業時間規制についても必要であればとっぱらうということも考えるべきだという意見は多かった」と答えている。

 労働基準法第三十三条第一項において、災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等の特例を定めているが、その運用は厳格に運用することが求められており、令和元年六月七日に「災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等に係る許可基準の一部改正について」という通知が厚生労働省より発出されている。

 この通知によると「単なる業務の繁忙その他これに準ずる経営上の必要は認めないこと。」とされている。

 以上踏まえて、以下質問する。

一 建設工事において予定している完成時期に間に合わせるために、労働基準法における災害等による臨時の必要がある場合とみなし、その従業者の時間外労働の上限規制を撤廃することは、令和元年六月七日の通知で認めないとしている「単なる業務の繁忙その他これに準ずる経営上の必要」に当たるのではないかと考えるが政府の所見を伺う。

二 国の関与する行事に関係する建設工事であろうと、そこで働く従業者の時間外労働について、上限規制の対象外とすることは、現行の労働基準法等の下では出来ないと考えるが政府の所見を伺う。

三 特定の建設工事について時間外労働の上限規制の対象外とする特別法を制定することは、労働者の健康管理や安全面で多くの課題があるが、こうした特別法を制定すること自体は可能なのか、可能な場合はこのような法律が政府として必要だと考えるか所見を伺う。

  右質問する。