質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第一二〇号
  令和五年六月三十日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出人質司法の解消と犯罪被害者の情報秘匿に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出人質司法の解消と犯罪被害者の情報秘匿に関する質問に対する答弁書

一について

 位置測定端末装着命令制度の対象となる被告人の範囲については、同制度の運用状況等を踏まえながら、必要な検討を行ってまいりたい。

二について

 お尋ねの「弁護人に対して起訴状の抄本を送達する場面」については、個別具体的な事実関係に即して判断されるべき事柄であり、一概にお答えすることは困難であるが、刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和五年法律第二十八号)による改正後の刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により弁護人に対して起訴状抄本等を送達する措置がとられ得る場合としては、例えば、弁護人が故意又は過失により被告人に被害者の個人特定事項を知らせる可能性を排除することができない場合において、当該個人特定事項が被告人に知られたときには、当該被害者に対して、重大な結果を伴う身体に害を加える行為がなされる可能性が高い場合などが考えられる。

三について

 お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、捜査当局においては、刑事訴訟法等の一部を改正する法律により新たに導入される個人特定事項が被疑者又は被告人に知られないようにするための措置については、同法の趣旨を踏まえ、個別の事案ごとに、法と証拠に基づき適切に対処するものと、また、記者発表や記者会見における公表については、刑事訴訟法第四十七条の趣旨を踏まえて、個別の事案ごとに、公益上の必要性とともに、関係者の名誉及びプライバシーへの影響並びに捜査・公判への影響の有無・程度等を考慮し、公表するか否か、公表するとしてどの程度の情報を公表するかを判断するものと承知している。