質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第一〇六号
  令和五年六月二十三日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員水野素子君提出安保三文書に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員水野素子君提出安保三文書に関する質問に対する答弁書

一について

 「国家安全保障戦略」(令和四年十二月十六日閣議決定)、「国家防衛戦略」(令和四年十二月十六日閣議決定)及び「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)(以下「国家安全保障戦略等」という。)については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)第四条に基づき閣議決定を行ったものである。

二、三及び五について

 御指摘の「国民の安全・安心に関わる重要な政策文書」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、国家安全保障戦略等については、令和五年四月七日の参議院本会議において、岸田内閣総理大臣が「議院内閣制の下では政権与党が国政を預かっており、三文書については、政府・与党において、一年以上にわたるプロセスを経て方針を決定いたしました。この決定は、行政府としての安全保障に関する政策意図を表明するためのものであり、行政権に属する行為ですが、その過程でも、国会での質疑にお答えする形で随時説明を行ってきました。行政府として決定した三文書の内容の一部については、御指摘のように具体的な取組に新たな立法措置が必要となるものもありますが、今後、立法府における法案の審議を通じて、その是非について御判断をいただくことになります。その上で、国会の場で様々な御指摘をいただいて議論することは、国民の皆様に課題を理解していただく上でも重要であると認識をしています。国民の皆さんの御理解を得るべく、努力をしてまいる所存であります。」と述べたとおりである。

 なお、国会に対しては、同月四日の衆議院本会議及び同月二十六日の参議院本会議において、「「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」に関する報告」を行っていることに加え、各委員会において質疑に答える形で説明を行ってきているところである。

四について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、令和五年三月九日の参議院内閣委員会において、松野内閣官房長官が、国家安全保障戦略等について、「三文書は行政府としての安全保障に関する政策意図を表明するためのものであります。その内容の一部については具体的な取組に必要な予算や新たな立法措置が必要となるものもありますが、それらについては、今後立法府における予算や法案等の御審議を通じて、その是非について御判断をいただくことになります。」と述べているところであり、また、先般成立した令和五年度予算については、これを適切に執行していく考えである。