質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第九六号
  令和五年六月十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員鈴木宗男君提出NHKのインターネット活用業務、衛星放送番組のインターネット配信に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員鈴木宗男君提出NHKのインターネット活用業務、衛星放送番組のインターネット配信に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、個別の報道の内容に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

二について

 お尋ねについては、令和五年六月八日の衆議院総務委員会において、松本総務大臣が「今回の件でございますが、NHKのインターネット活用業務に係る設備調達に関する内部手続が適切でなかったものの、違法性が疑われる支出が認められず、また、NHKの執行部が新体制になった本年四月に、稲葉会長の下で、問題の所在にNHK自らが気づき、支出前に、過去の稟議についてNHK内部の規程に基づいて是正を行い、目的を明確化し、今後とも違法な支出が行われないよう対応したと承知しており、放送法にのっとったものになるよう処理が行われたと承知をしております。」と述べたとおりであり、日本放送協会(以下「協会」という。)が放送法(昭和二十五年法律第百三十二号。以下「法」という。)第七十三条第一項に規定する「第二十条第一項から第三項までの業務の遂行以外の目的に支出し」たものではないと承知している。

三について

 お尋ねの「インターネット配信の関連支出九億円」の意味するところが必ずしも明らかではないが、衛星系のテレビジョン放送の常時同時配信等(以下「衛星テレビ常時同時配信等」という。)のための設備整備に係る予算については、令和五年六月八日の衆議院総務委員会において、協会の稲葉会長が「予算書には全く計上されてございません。」と答弁したものと承知している。

四について

 お尋ねの「インターネット配信関連支出九億円」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年五月の協会から総務省への報告(以下「協会からの報告」という。)によれば、衛星テレビ常時同時配信等のための設備整備についての支出は行われていないと承知している。

五について

 協会からの報告によれば、衛星テレビ常時同時配信等のための設備整備に関する契約を行うための、協会内部の御指摘の「稟議」は、令和四年十二月に行われたと承知している。

六について

 お尋ねについては、令和五年六月八日の衆議院総務委員会において、協会の井上副会長が答弁したものと承知している。

七について

 令和五年度の協会の収支予算等については、総務大臣が当該予算等に付した意見において、「受信料収入によって成り立つ協会に対する国民・視聴者の信頼を保持するため、引き続き、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に組織を挙げて全力で取り組み、不祥事の根絶に努めるとともに、放送法に基づきNHKグループの業務の適正を確保するための体制整備を適切に図ること等によりNHKグループ全体でのコンプライアンスを確保・徹底すること」としており、協会において、こうした指摘も踏まえ、法にのっとり適切に業務を執行していくことが必要と考える。

八について

 お尋ねについては、御指摘の「本件に関わった役員」の範囲が必ずしも明らかではないが、六についてで述べた協会の井上副会長が答弁した者であるとすると、当該役員の人事に関することについては、政府としてお答えする立場にない。

 いずれにせよ、令和五年度の協会の収支予算等に付した総務大臣の意見には、「受信料収入によって成り立つ協会に対する国民・視聴者の信頼を保持するため、引き続き、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に組織を挙げて全力で取り組み、不祥事の根絶に努めるとともに、放送法に基づきNHKグループの業務の適正を確保するための体制整備を適切に図ること等によりNHKグループ全体でのコンプライアンスを確保・徹底すること」としており、協会において、こうした指摘も踏まえ、法にのっとり適切に業務を執行していくことが必要と考える。