質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第七九号
  令和五年五月三十日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員髙良鉄美君提出在日米軍人・軍属等による事件、事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員髙良鉄美君提出在日米軍人・軍属等による事件、事故に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「直近一年間に起こした事件や事故の検挙数」及び「飲酒絡みの事件」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和四年中に警察が検挙したアメリカ合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族(以下「合衆国軍隊構成員等」という。)による警察の犯罪統計の区分における刑法犯に係る検挙件数について、犯罪が発生した都道府県別にお示しすると、次のとおりである。なお、被疑者が犯行時に飲酒していたかどうかについては把握していない。

 青森県 一件

 岩手県 一件

 埼玉県 一件

 東京都 十四件

 神奈川県 十七件

 広島県 二件

 山口県 十三件

 福岡県 一件

 長崎県 二件

 沖縄県 五十四件

 また、令和四年中に警察が検挙した合衆国軍隊構成員等による警察の犯罪統計の区分における特別法犯に係る検挙件数については、犯罪が発生した都道府県別の数値は把握していないが、検挙した都道府県警察別にお示しすると、次のとおりである。なお、被疑者が犯行時に飲酒していたかどうかについては把握していない。

 警視庁 十三件

 神奈川県警察 五件

 広島県警察 一件

 山口県警察 四件

 福岡県警察 一件

 長崎県警察 二件

 沖縄県警察 十八件

 また、令和四年中に警察が検挙した合衆国軍隊構成員等による道路交通法違反事件の検挙件数について、警察庁として把握している限りで、検挙した都道府県警察別にお示しすると、次のとおりである。

 青森県警察 四件(うち酒気帯び運転四件)

 警視庁 一件(うち酒酔い運転一件)

 神奈川県警察 二件(うち酒気帯び運転二件)

 静岡県警察 一件

 広島県警察 二件(うち酒気帯び運転二件)

 山口県警察 六件(うち酒気帯び運転六件)

 長崎県警察 四件(うち酒気帯び運転三件)

 沖縄県警察 五十三件(うち酒酔い運転三件、酒気帯び運転四十八件)

 また、令和四年中における合衆国軍隊構成員等による交通事故(人の死傷を伴うものに限る。)の発生件数について、警察庁として把握している限りで、当該交通事故が発生した都道府県別にお示しすると、次のとおりである。

 北海道 一件

 東京都 一件

 神奈川県 二件

 静岡県 一件

 京都府 一件

 広島県 一件

 長崎県 四件(うち酒酔い運転を伴うもの一件、酒気帯び運転を伴うもの二件)

 鹿児島県 一件

 沖縄県 十件(うち酒酔い運転を伴うもの一件、酒気帯び運転を伴うもの二件)

二について

 御指摘の「リバティー制度」に係る米側とのやり取りの詳細については、米側との関係もあり、答弁を差し控えたいが、合衆国軍隊構成員等による事件・事故は本来起きてはならないものであり、政府としては、米側に対して、綱紀粛正等を随時働きかけており、その防止に向けて、引き続き、米側とともに取り組んでまいりたい。

三について

 御指摘の「CWTの開催」に係る米側とのやり取りの詳細については、米側との関係もあり、答弁を差し控えたいが、「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム」については、在沖縄米軍や沖縄県等の関係者と様々な調整を行っているところである。

四及び六について

 御指摘の事件に係るお尋ねについては、現在、裁判所に係属中の事件に関わる事柄であり、答弁を差し控えたいが、日本国政府としては、日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行われたものでないものから生ずる合衆国軍隊の構成員又は被用者(日本国民である被用者又は通常日本国に居住する被用者を除く。以下同じ。)に対する請求権については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第十八条6の規定に基づき、被害者から補償金の請求を受けた場合は、速やかにその内容を審査し、早期にその報告書を米国政府に送付するなどして、被害者に対して速やかな補償がなされるよう努めていく考えである。

五について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の答弁は、合衆国軍隊の構成員又は被用者の公務外の事件・事故について、当事者間において解決されない場合の補償金額の算定に当たっては、防衛省が損害と事件・事故との相当因果関係の有無等について考慮することとなるが、これは、国家賠償における場合と同様である旨を述べたものである。