質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第六九号
  令和五年五月十九日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員嘉田由紀子君提出こども家庭庁が発表した養育費の数値目標に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員嘉田由紀子君提出こども家庭庁が発表した養育費の数値目標に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 令和五年四月二十五日に、内閣府男女共同参画局、こども家庭庁支援局、法務省大臣官房及び同省民事局が公表した「養育費受領率の達成目標について」(以下「本件達成目標」という。)は、「女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二二」(令和四年六月三日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定。以下「重点方針」という。)において、「養育費の「受領率」に関する達成目標を定める」とされていることを踏まえ、法務省も含めた関係府省庁間で連携・協議の上で策定したものである。

 政府としては、重点方針において、「養育費の「受領率」に関する達成目標を定める」ことと並行して、「父母の離婚等に伴う子の養育の在り方について、引き続き必要な検討を進め、養育費の確保のための具体的な方策についても、令和五年の通常国会における法案提出を目途に民事基本法制の見直しに関する検討を進める」こととされていることから、法務大臣が本件達成目標の策定のための協議に関与することが、御指摘の「国会軽視であり、また、国民軽視」であるとは考えておらず、「国民に謝罪をするとともに、法務大臣を罷免すべき」との御指摘は当たらない。

三の1について

 お尋ねの法務大臣の法制審議会に対する離婚及びこれに関連する家族法制の見直しに関する諮問第百十三号の理由は、「父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益の確保等の観点から、離婚及びこれに関連する制度に関する規定等を見直す必要があると思われる」というものである。

三の2及び3について

 本件達成目標においては、「希望する全てのひとり親世帯が養育費を受領できるようにすることが重要であるという認識の下、まずは二千三十一年に、全体の受領率(養育費の取り決めの有無にかかわらない受領率)を四十パーセントとし、養育費の取り決めをしている場合の受領率を七十パーセントとすることを目指す」と記載しているところである。

 本件達成目標は、法務省も含めた関係府省庁間で連携・協議の上で策定したものであり、御指摘のような「指示」をすることは考えていない。

四について

 お尋ねの「決定プロセス」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本件達成目標は、重点方針において、「養育費の「受領率」に関する達成目標を定める」とされていることを踏まえ、厚生労働省が実施した「令和三年度全国ひとり親世帯等調査」の結果や養育費の確保のための取組の現状等を考慮しながら、法務省も含めた関係府省庁間で連携・協議の上で策定したものであり、これを踏まえ、御指摘の記者会見における小倉内閣府特命担当大臣の発言が行われたものである。