質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第四七号
  令和五年四月十一日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出関税法に定める公安を害すべき物品に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出関税法に定める公安を害すべき物品に関する質問に対する答弁書

一について

 昭和三十七年七月十日の衆議院大蔵委員会における清水晶参考人の「法制局の見解は、公安を害すべきというのは、破防法第四条第一項第一号に言うところの刑法第七十七条、第八十一条、第八十二条、これを読みますれば、内乱、外患誘致、外患援助、そういうものである」との発言の基となった事情を政府として承知しておらず、御指摘の「関税法における「公安を害すべき物品」とは「破壊活動防止法第四条第一項第一号ニに掲げる文書又は図画」がこれに当たるという見解」が「当時の政府見解であるとの認識で良いか」及び「この見解は現在においても変わりないという理解で良いか」とのお尋ねについてお答えすることは困難であるが、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第六十九条の十一第一項第七号に掲げる公安を害すべき書籍等(以下「公安を害すべき書籍等」という。)については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為の実行の正当性又は必要性を主張した文書等がこれに当たると考えている。

二について

 お尋ねの「暴力革命」とは、非平和的、すなわち暴力的な革命を指している。

三について

 御指摘の「「共産主義革命」を「刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為」に該当するものとして調査」の意味するところが明らかではなく、また、御指摘の「共産主義革命」を目的とした行為が刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為に該当するか否かは、個別具体的な事実関係に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

四について

 御指摘の「暴力を伴う「共産主義革命」」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、お尋ねのような行為が破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)第四条第一項に規定する暴力主義的破壊活動に該当するか否かは、個別具体的な事実関係に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

五について

 御指摘の「暴力を伴う「共産主義革命」」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、輸入されようとする貨物が公安を害すべき書籍等に該当するか否かは、個別具体的な事実関係に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

六について

 お尋ねの「「公安を害すべき物品」の摘発又はその問題となる事案」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和二年四月一日から令和五年三月三十一日までの間、関税法第六十九条の十一第三項の規定に基づき、税関長が、輸入されようとする貨物のうちに公安を害すべき書籍等に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるとして、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知した実績はない。