質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第四三号
  令和五年四月七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員髙良鉄美君提出陸上自衛隊勝連分屯地への地対艦ミサイル配備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員髙良鉄美君提出陸上自衛隊勝連分屯地への地対艦ミサイル配備に関する質問に対する答弁書

一について

 防衛省は、陸上自衛隊那覇駐屯地勝連分屯地(以下「勝連分屯地」という。)が所在するうるま市との間で、令和三年八月、令和四年八月及び同年十二月に、地対艦誘導弾部隊等の配備や、施設整備に関係する予算案について説明を行っているほか、平素から様々なやり取りを行っているところであるが、その詳細については、相手方との関係もあることから、お答えすることは差し控えたい。

二について

 防衛省では、島嶼(しょ)部等への侵攻に対処するため、令和五年度に勝連分屯地において、第七地対艦ミサイル連隊(仮称)本部及び本部管理中隊に加え、一二式地対艦誘導弾を保持する一個地対艦ミサイル中隊等を含む合計二百人程度の部隊の配置を計画しており、そのために必要となる隊庁舎、車両整備場等の施設を整備中である。なお、お尋ねの「台数」については、その意味するところが必ずしも明らかではないが、当該部隊が保持することとなる誘導弾の数については、国の安全を害するおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

三について

 地対艦誘導弾の搬入時期については、国の安全を害するおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

四について

 御指摘の報道については承知しており、現在、沖縄県と協力して事実関係の調査を行っているところであり、その結果を踏まえて、必要な対応を検討してまいりたい。

五について

 勝連分屯地で行われている建設工事について、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)及び道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)に違反する疑いがある旨の令和五年一月二十六日及び二十七日の報道を受け、受注者に事実関係を確認したところ、下請業者が貨物自動車運送事業法第三条に基づく一般貨物自動車運送事業に係る国土交通大臣の許可を受けずに、有償で土砂の搬出を行っていたことが同条に、事業用自動車の外側に使用者の名称が表示されていなかった又は表示されていたが判読し難い状態であったことが道路運送法第九十五条に、それぞれ抵触するおそれがある旨の報告を受け、沖縄防衛局から当該受注者に対し、関係法令の遵守を徹底するよう指導し、現在は是正されていることを確認している。

 また、強風のため、移動式クレーンに係る作業の実施について危険が予想されているにもかかわらず、当該受注者が当該作業を中止していなかったことが労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)に違反する疑いがある旨の報道があったことから、同局は当該受注者に対し風速計を設置し、作業を行う際には風速を確認するよう指導した。令和五年二月六日、当該作業について沖縄労働基準監督署から受注者及び下請業者に対し同法第九十一条第一項に基づく検査の結果を踏まえた勧告等が行われ、同月十六日、当該受注者及び下請業者より是正した旨の報告がされていると承知している。

六について

 御指摘の報道については、令和五年二月二十四日、市民団体から沖縄防衛局に対し、住民説明会の開催について要請があり、同局から、現時点において開催する予定はない旨を回答したものである。その上で、これまでも、同局からうるま市に対し、地対艦誘導弾部隊等の配備等について丁寧に説明を行ってきたところであり、御指摘の説明会について、現時点で開催する予定はないが、引き続き、同市に対し、様々な形で情報提供してまいりたい。

七について

 防衛省では、二についてで述べたとおり、令和五年度に勝連分屯地に地対艦誘導弾部隊を配置する予定であり、これらの部隊配置は、我が国への攻撃を抑止する効果を高めるものであり、御指摘の「子どもたちの安心、安全な学校生活」及び「子どもたちや周辺住民の安全」にもつながるものと考えている。

 また、お尋ねの「住民保護計画」の意味するところが必ずしも明らかではないが、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)第五十四条第一項の規定に基づき、都道府県知事が、要避難地域を管轄する市町村長を経由して、当該要避難地域の住民に対し避難すべき旨を指示したときは、同法第六十一条第一項の規定に基づき、当該市町村長が、同法第三十五条第一項に規定する国民の保護に関する計画(以下「国民保護計画」という。)で定めるところにより、住民の避難の方法に関する事項等について定める避難実施要領を定めなければならないこととされており、さらに、同法第三十二条第一項の規定に基づき定められている「国民の保護に関する基本指針」(平成十七年三月二十五日閣議決定)において、「避難実施要領のパターンをあらかじめ作成しておくよう努めるものとする。」とされているところであり、うるま市においては、国民保護計画及びこの「避難実施要領のパターン」が作成されていると承知している。