第211回国会(常会)
内閣参質二一一第四一号 令和五年三月二十八日 内閣総理大臣 岸田 文雄
参議院議長 尾辻 秀久 殿 参議院議員吉川沙織君提出束ね法案及び新規制定の法律案に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員吉川沙織君提出束ね法案及び新規制定の法律案に関する再質問に対する答弁書 一について お尋ねの「既存の法律の規定の特例となる内容」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、内閣が第百九十八回国会以後の国会の常会に提出した、及び第二百十一回国会に提出する予定の「新規制定」の法律案のうち、法律案の題名に「特例」又は「特別措置」が含まれるものの数を国会の回次ごとにそれぞれ示すと、次のとおりである。 第百九十八回国会 二 第二百一回国会 四 第二百四回国会 二 第二百八回国会 一 第二百十一回国会 一 二、三及び五について 御指摘の「内閣提出法律案の件数」及び「束ね法案の件数及び内閣提出法律案に占める割合」については、法律の制定又は改正の必要性を勘案した結果及び一つの法律案の本則において二つ以上の法律の改正を行うか否かについて個々の法律案ごとに判断した結果であり、お尋ねの「近年において束ね法案が相対的に増加している」との認識、「内閣提出法律案の提出件数を絞るために法律案を束ねて提出している」との「動機」及び「束ね法案の件数及び内閣提出法律案に占める割合が低減するよう努めていくとの考え」は有していない。 四について 政府は、従来から、二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合においては、一般に、法律案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法律案の趣旨・目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法律案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは、一つの改正法案として提案することができると考えている。 また、政府は、法律案の立案の段階でこれらの事項を十分に検討した上で、個々の法律の改正法案として提案するよりも二つ以上の法律の改正を一つの改正法案として提案することが適当であるという結論に達した場合、そのような形で提案することがある。 政府としては、そうした法律案を含め、いずれの内閣提出法律案についても、国会での審議、ホームページへの掲載等を通じ、丁寧な説明や内容の周知に努めてきたところであり、また、国会の審議の在り方は、国会で御判断いただくものであると考えている。 六について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないが、政府としては、御指摘の閣議決定に定められた事項を踏まえ法律案の立案を行っているところである。 七の1について お尋ねの二つ以上の法律の改正を一つの改正法案として提案した事情については、例えば、参議院議員吉川沙織君提出束ね法案に関する第三回質問に対する答弁書(平成二十八年三月十八日内閣参質一九〇第七九号)一から四までについてで述べたとおりである。 七の2について 過去の内閣提出法律案において、二つ以上の法律の改正を一つの改正法案として提案することが適当であるという結論に達した場合、その立案の段階で「付託される常任委員会が同一であること」を勘案したかどうかを網羅的に確認することは困難であるが、御指摘の「付託される常任委員会が同一であることその他の事情により統合することが適当なものは、統合して提出すること」との記述は、常任委員会が同一であることを例示として、諸般の事情により、統合することが適当な法律案は、統合して提出することとしているものであり、付託される常任委員会が同一でない場合の法律の改正を一つの法律案において行うことを否定しているものではない。 七の3について 御指摘のように、政府は、従来から、二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合においては、一般に、法律案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法律案の趣旨・目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法律案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは、一つの改正法案として提案することができると考えているところ、法律案の立案の段階でこれらの事項をお尋ねの「その他の事情」(「諸般の事情」)と併せて十分に検討した上で、個々の法律の改正法案として提案するよりも二つ以上の法律の改正を一つの改正法案として提案することが適当であるという結論に達した場合、そのような形で提案することがあるものである。 八について お尋ねの「「付託される常任委員会が同一であること」の要件に反しないようにするため、内閣官房を主請議府省等とすることで、内閣委員会に付託されるようにしたものではないか」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、御指摘の六件の法律案の閣議決定に係る主請議府省等が内閣官房とされたのは、先の答弁書(令和五年三月七日内閣参質二一一第二六号)七について及び八及び九についてで述べたとおり、これらの法律案の立案が内閣官房のつかさどる内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整等に関する事務に属するものであったことによるものである。 |