質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第三七号
  令和五年三月二十二日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 松野 博一


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出mRNAワクチンに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出mRNAワクチンに関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「mRNAワクチンの頻回接種による中長期的な副反応や副作用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「新型コロナ予防接種」という。)を受けたことによるものと疑われる症状については、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第十二条第一項の規定により、医師等から厚生労働大臣に報告されているほか、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第六十八条の十第一項及び第二項の規定により、新型コロナ予防接種に使用するワクチン(以下「新型コロナワクチン」という。)の製造販売業者等から同大臣に報告されており、これらの制度により収集した情報等に基づき、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下「合同部会」という。)において、専門家による議論が行われ、新型コロナワクチンの安全性について評価を行っているところであり、令和五年三月十日の合同部会において、現時点では「ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこと」としてよいこととされている。なお、合同部会の資料については、厚生労働省のホームページで公表している。

二について

 御指摘の「mRNAワクチン」を含め、新型コロナワクチンについては、公表されている学術論文等から、その有効性及び安全性に係る国内外の知見や諸外国の接種方針等について情報を収集し、これらの情報に基づき、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(以下「分科会」という。)において、専門家による議論が行われ、重症化予防効果等について確認している。

 また、令和五年度の新型コロナ予防接種の方針については、令和五年三月七日の分科会において、「二千二十三年秋冬(九月~十二月)には接種可能な全ての者を対象に接種を実施」し、「令和四年秋開始接種から一年が経過する二千二十三年秋冬を待たずに、二千二十三年春から夏(五月~八月)と一定の時期を定めて、重症化リスクが高い者に接種を行うとともに、健常人であっても重症化リスクが高い方が集まる場所においてサービスを提供する医療機関や高齢者施設・障害者施設等の従事者に接種機会を確保する」ことが了承され、これを踏まえ決定したところ、当該方針については、同年二月八日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で取りまとめられた「二千二十三年度以降の新型コロナワクチンの接種の方針について」で示されているとおり、新型コロナウイルス感染症の疫学的状況や新型コロナワクチンの有効性に関する疫学的知見等を踏まえ、秋から冬にかけて新型コロナ予防接種による有効性の発揮が必要であることや、接種後一年程度経過すると新型コロナ予防接種による有効性の十分な持続が見込めないものと考えられること等を根拠とするものである。

三について

 御指摘の「mRNAワクチンは、研究途上段階である」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「mRNAワクチン」を含め、新型コロナワクチンについては、医薬品医療機器等法による承認を受けたものについて、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律(令和四年法律第九十六号)による改正前の予防接種法附則第七条第一項の規定による予防接種に用いることを本来の目的として製造販売業者と供給契約を結んでいることから、政府が所有する新型コロナワクチンを御指摘の「入手希望者」一般に提供することは考えていない。ただし、国内における新型コロナワクチンの開発のために政府が費用を補助して研究を行う者に対しては、当該新型コロナワクチンの製造販売業者の同意を得た上で、例外的に提供している。