質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第三三号
  令和五年三月十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する金融庁の調査姿勢に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する金融庁の調査姿勢に関する質問に対する答弁書

一について

 金融機関において、融資期間の算定の基礎となる耐用年数については、当該融資の方針、融資対象物件の用途等によって異なることから、画一的に決められるものではなく、いずれにしても、融資に当たっては、適切な信用リスク管理態勢を構築し、適切な維持管理を前提とした合理的な耐用年数と整合的な融資期間を設定すること等が重要と考えている。お尋ねの「指示・指導等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、金融庁としては、こうした考え方を踏まえて、各金融機関において、業務の健全かつ適切な運営が確保されるよう、信用リスク管理態勢の整備状況を含め、モニタリングを実施しているところである。

二について

 御指摘の「経済的耐用年数」等を証する書面を作成する外部専門家に対し、西武信用金庫の職員が耐用年数や修繕費用等を指示するなどの不適切な行為が多数認められたものであるが、その具体的内容については、同金庫の融資先の正当な利益を害するおそれがあること等から、お答えを差し控えたい。

三について

 お尋ねについては、先の答弁書(令和三年十月十五日内閣参質二〇五第一五号)三についてでお答えしたとおり、個別の事案に関することであり、お答えを差し控えたい。

四について

 お尋ねについては、開示することとした行政文書の一部が行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第五条第一号、第二号イ及び第六号の不開示情報に該当すると考えられたため、当該部分を不開示としたものであり、同法に基づき適切に判断したものである。

五について

 金融庁としては、西武信用金庫について、業績優先の営業を推進する余り、内部管理態勢の整備を怠った結果、投資用不動産向けの融資に当たり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている等の問題が認められたことから、同金庫に対し、内部統制の強化や信用リスク管理態勢の強化等を実行するよう、令和元年五月二十四日付けで信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十九条第一項において準用する銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二十六条第一項の規定に基づく業務改善命令(以下「業務改善命令」という。)を発出しており、これを通じて、金融機関の業務の健全かつ適切な運営が確保され、信用金庫法の目的である信用の維持と預金者等の保護が図られるものと考えている。

六について

 お尋ねについては、西武信用金庫において、業務改善命令を発出する要因となった問題に関して、同金庫が業務改善命令に基づき策定した改善計画に沿って改善措置が講じられたと認められたことから、業務改善命令に基づく当該計画の履行状況の報告義務を解除したものである。