質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第一〇号
  令和五年二月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員福島みずほ君提出立川基地における訓練のために飛来するオスプレイに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出立川基地における訓練のために飛来するオスプレイに関する質問に対する答弁書

一の1について

 立川飛行場の場周経路は、おおむね同飛行場、同飛行場北側の西武拝島線付近、東大和市駅付近、多摩川橋付近及び同飛行場南側の多摩川付近を結んだ東側場周経路並びに同飛行場及び国営昭和記念公園を結んだ西側場周経路が設定されている。同飛行場の飛行経路は、有視界飛行方式による飛行経路として、おおむね同飛行場、同飛行場北側の西武拝島線付近、東大和市駅付近、小川駅南側付近、関戸橋付近、多摩川橋付近及び同飛行場南側の多摩川付近を結んだ経路、おおむね東大和市駅付近及び多摩川橋付近を結んだ経路、国営昭和記念公園及び同飛行場を結んだ経路、おおむね国営昭和記念公園及び同飛行場北側の西武拝島線付近を結んだ経路並びにおおむね国営昭和記念公園及び同飛行場南側の多摩川付近を結んだ経路が設定されており、また、計器飛行方式による出発経路として、同飛行場を離陸後、磁針方位四十五度の方向又は百五十一度の方向に向け上昇しつつ飛行する経路、計器飛行方式による進入経路として、同飛行場へ向け磁針方位一度の方向に向け降下しつつ飛行する経路及び計器飛行方式による着陸復行経路として、同飛行場への着陸又は着陸のための進入を中止した場合の経路が設定されている。

 また、御指摘の「答弁書別表に記載された「立川飛行場に係る飛行経路」」に記載の飛行経路と現在の有視界飛行方式による同飛行場に係る飛行経路は御指摘のように「概ね合致」している。また、御指摘の「標準出発経路等(SIDs)図」の意味するところが必ずしも明らかではないが、防衛省発行の航空路図誌に記載された計器飛行方式による出発経路、進入経路及び着陸復行経路と国土交通省発行の航空路誌に記載された計器飛行方式による出発経路、進入経路及び着陸復行経路は、それぞれ合致する。

一の2について

 立川飛行場においては、御指摘のように「固定翼機と回転翼機で異なる場周経路及び場周高度が設定され」ているわけではない。

二の1について

 御指摘の「大田質問に対する答弁書」を作成した平成十四年当時は、立川飛行場運用規則により、有視界飛行方式により立川飛行場に係る飛行経路を飛行する場合の飛行高度の上限として、海抜千五百フィートと定められていたが、平成二十八年に改正された同規則においては、場周経路を飛行する際の高度の基準は最も高い地点で海抜千八百フィートと定められており、現在はこの高度を基準としている。

 また、御指摘の「立川飛行場の東側場周経路」が具体的にどの地点を指すのか必ずしも明らかではないが、例えば、同飛行場北側の西武拝島線付近においては、海抜千五百フィート及び海抜千八百フィートは、それぞれ地上約三百五十メートル及び地上約四百四十メートルである。

二の2について

 立川飛行場運用規則において定められているのは高度の基準であり、この基準よりも高い高度で飛行することは、同規則によって禁止されているものではない。

 お尋ねの「北関東防衛局が想定する「高高度を設定した飛行や訓練」」における高度は、地点によって異なるが、例えば、立川飛行場北側の西武拝島線付近においては、高度千八百フィートを努力目標としている。

三の1について

 御指摘の「陸上自衛隊V-22オスプレイ」の操縦士は、個別具体的な状況に応じて、離陸及び着陸を最も安全に実施できると考えられるタイミングでモードの転換を行うことから、お尋ねについて具体的にお示しすることは困難である。

三の2について

 立川飛行場の場周経路は、相当程度の幅をもって設定しており、また、御指摘の「周辺」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

四の1について

 従前から、特に必要があると考えられる場合を除き、事前に立川市に対して航空機の飛行情報の提供は行っておらず、御指摘の北関東防衛局の回答が誤りであるとは考えていない。

四の2について

 特に必要があると考えられる場合においては、今後も引き続き、事前に立川市に対して航空機の飛行情報の提供を行う予定である。

四の3について

 御指摘の「二〇一六年十二月二十一日施行の航空法施行規則改正」以降、自衛隊機に対するレーザー光の照射を受けた事例は、令和五年二月十七日時点で、五十八件発生しているが、お尋ねの「飛行日程が事前通知されていたために照射された事案」の件数は把握しておらず、お答えすることは困難である。

五について

 現時点においては、御指摘の「「島嶼部に対する攻撃への対応を念頭に、迅速かつ大規模な輸送・展開能力を確保し、実効的な対処能力の向上を図る」訓練」を、御指摘のような「立川飛行場に飛来あるいは経由して実施する」訓練として実施する計画はない。