質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第七号
  令和五年二月十七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員塩村あやか君提出保護犬又は保護猫の譲渡前のトライアル飼育に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員塩村あやか君提出保護犬又は保護猫の譲渡前のトライアル飼育に関する再質問に対する答弁書

一について

 現時点では、御指摘の「犬又は猫のトライアル飼育や、トライアル期間中の犬猫の所有権帰属等をめぐるトラブル」に関する相談が環境省に寄せられていない状況であることなどから、御指摘の点に関して「政府として全国の実態」の「調査」を現時点において直ちに実施する必要があるとは考えていないが、御指摘の「トライアル飼育」の状況については、引き続き情報収集に努めてまいりたい。

二及び三の前段について

 お尋ねの「トライアル期間中の犬猫の所有権の帰属」については、政府として、私人間の法律関係であり、御指摘のように「所有権の帰属を確認する契約書類等を交わしている」か否かにかかわらず、契約当事者間の合意により個別に決まるものと考えており、また、契約時に明示的に「トライアル期間中の犬猫の所有権の帰属について合意や確認をしていない場合」についても、契約当事者間の合意内容の解釈等により個別に判断されるべきものと考えている。

 また、「保護主が所有・占有の意思を示している場合は、民法第二百三十九条第一項の規定により、保護主が所有権を取得することになると考えるが、政府の見解を示されたい」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、同項の規定は無主物の帰属に関するものであるため、「保護主」が所有している犬又は猫の「トライアル飼育」については、同項が適用されるものではないと考えられる。

三の中段及び後段について

 「トライアル飼育をめぐるトラブルについて、どこに相談すればよいのか」とのお尋ねについては、「トラブル」の具体的な状況が明らかではないため、一概にお答えすることは困難である。また、御指摘の「トライアル飼育の際の所有権の帰属」などを始めとした、動物の所有権に関するトラブルの「相談窓口の周知・広報」については、必要に応じて検討を進めていく考えである。