質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第一四二号

送還時に弁護士への通信を申し出た場合の対応等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年六月二十一日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   送還時に弁護士への通信を申し出た場合の対応等に関する質問主意書

 二〇二一年六月十七日付「送還実施に当たっての留意事項について(指示)」(入管庁警第八二号)には、「送還時に弁護士への通信を申し出た場合の対応等について」の内容も記載されている。

 この通知には留意的な内容が規定されており、それが原因で、解釈の方向性によっては、送還時の弁護士への通信がなされない根拠となり得る記載となっている。そのため、行われるべきではない送還を防ぐための「最後の砦」として機能しないことが懸念され、極力、弁護士への通信を実現させる方向で柔軟な取扱いが望まれる。

 以上を前提に以下質問する。

一 送還される外国人と入国警備官のコミュニケーションの齟齬などにより、通信の目的が正しく伝わらず、通信が「不許可」とされる場合が懸念される。前記通知における「取消訴訟提起や退去強制令書の執行停止の申立てを目的として」との要件の削除又は柔軟な解釈が行われるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 裁決告知から二か月以内という短期間で、民事法律扶助を使うこともできず、さらに原則収容されている中、弁護士にアクセスすることは非常に困難である。送還の時点で訴訟代理人となる者が確定していない場合、前記通知における「訴訟代理人であると確認できた場合」との要件の削除又は柔軟な解釈が行われるべきではないか。政府の見解を示されたい。

三 前記通知における「執行停止申立ての動きが具体的に整っている」がどのような場合を指すのかが不明確であり、限定的な解釈が懸念される。現場での柔軟な解釈を可能にするための取組が求められる。政府の見解如何。

  右質問する。