質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第一三九号

難民審査参与員に対する案件配分と処理手順が抱える課題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年六月二十一日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   難民審査参与員に対する案件配分と処理手順が抱える課題に関する質問主意書

一 難民審査参与員に対する案件配分に関し、二〇二三年五月三十日の参議院法務委員会の質疑では、参与員に対して依頼の配分数に偏りがあるように見えるのは、主として参与員側の都合と事情という旨の答弁がなされた。具体的には、「参与員としての職務以外の職務の状況、御本人の体調や御家族、御家庭などの状況、異なる専門分野の難民審査参与員によって班が構成されるよう配慮するなどの事情から処理件数が少なくなることもございます。」とのことであった。しかしこの理由付けは、私たちが行った参与員からのヒアリング結果とかい離がある。

1 なぜ、参与員が希望しても仕事が配分されないのか。

2 常設班にも組み込まれないケースがあるのはなぜか。

3 班編制や案件の割り振りに当たって、以前の答弁で示されたように、参与員の専門性を分類する三つの専門分野の組合せ以外の政治的ないし属人的な配慮が判断要素となることはない、と断言できるか。

二 出入国在留管理庁が「迅速な処理が可能かつ相当」とした、いわゆる「迅速案件」は、二〇二二年に処理した四千七百四十件のうち、全体の約六十五%に当たる三千六十五件にも上ることが、参議院法務委員会理事会に提出された資料から明らかになった。

 案件配分の偏りも甚だしく、三千六十五件の迅速案件を僅か十三人の臨時班で、残りの千六百七十五件を約百人の常設班で処理していることになる。

 不服を申し立てたうちの約六十五%が迅速案件として書面審査しか行われず、審査に時間も掛けず、迅速・簡潔に処理されている現状は、「保護すべき難民を取りこぼさない」という参与員制度の制度趣旨からして適切と考えているのか。

三 出入国管理及び難民認定法等の改正の際に指摘された前記の案件依頼の偏りや迅速案件の比率だけではなく、迅速案件を臨時班がそれ以外の案件を常設班が行うという二分法とも言うべき処理手順につき、改善のための検討を行う意思はあるか。

  右質問する。