質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第一三三号

送還忌避者の定義に該当する対象に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年六月二十日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   送還忌避者の定義に該当する対象に関する質問主意書

 二〇二三年五月十二日の参議院本会議での送還忌避者に関する私の質問に対して、齋藤法務大臣は「送還忌避者は、退去強制令書が発付されたにもかかわらず退去を拒んでいる者全般を指しますが、退去強制令書が発付された者は、退去強制手続において在留特別許可の判断を経るとともに、難民該当性を主張する場合には、難民認定手続も経た上で難民に該当せず在留を特別に許可する事情も認められなかった者であり、保護すべき者は適切に保護しているところです」との答弁を行った。

一 二〇二一年十二月二十一日に出入国在留管理庁が公表した資料「現行入管法上の問題点」では、送還忌避者とされる三千百三人のうち、難民申請中の者は千九百三十八人であり、そのうちの七百十三人は難民申請回数一回とされている。「難民認定手続も経た上で」と齋藤法務大臣は述べているが、政府が「送還忌避」とする人の中には、難民認定手続中の者も含まれているのではないか。送還忌避者は「難民認定手続も経た上で難民に該当せず在留を特別に許可する事情も認められなかった者」とする本会議での大臣答弁は、不正確だったのではないか。政府の見解を示されたい。

二 前記千九百三十八人のうち、その後、難民認定や人道配慮による在留特別許可が認められた人がいれば、大臣答弁は更に不適切なものとなる。

 前記の本会議答弁は、そのような者がいるかどうかを調べた上での発言だったのか。

三 難民該当性が認められる可能性がある者を「送還忌避」とすることは、難民保護の姿勢に逆行するものではないか。政府の認識を示されたい。

  右質問する。