質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第一〇二号

特定非営利法人BONDプロジェクトが重複報告をしている旨を東京都住民監査請求で指摘されていることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年六月九日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   特定非営利法人BONDプロジェクトが重複報告をしている旨を東京都住民監査請求で指摘されていることに関する質問主意書

 自殺防止対策事業(以下「本事業」という。)は、自殺対策基本法(平成十八年法律第八十五号)において、民間団体の活動に対する支援が国及び地方公共団体の責務として位置付けられていることを踏まえ、自殺防止対策に取り組む民間団体に支援を行うことにより、一層の自殺防止対策の推進を行うことを目的として実施することとされた事業である。本事業は公募により助成団体が選定されており、令和五年度自殺防止対策事業公募要綱が定められている。また、本事業公募要綱には助成対象事業の要件として、「他の公共団体から助成を受けていない事業であること。」を定めている。

 他方、本事業の助成を受けている特定非営利法人BONDプロジェクト(以下「BOND」という。)は、令和五年三月六日付けの東京都住民監査請求において、「令和四年度東京都若年被害女性等支援事業委託において、厚生労働省の自殺防止対策事業の実績と重複して報告していることは要綱違反であり、事業計画書を承認したことは不正であるなど、様々な点において不当があるから、当該受託者の活動実績等の監査をし、概算払した委託料の返還等の措置を求める。」と請求された。その後、この東京都住民監査請求は同年五月一日に却下されている(五監総第八十七号)。この監査結果本文には東京都監査委員による様々な調査結果が記載されており、監査結果本文には国事業に関する記載も見られる。以上を踏まえて、以下質問する。

一 監査結果本文によると、BONDについて「相談件数が国事業と本件事業とで合算されたものであったとしても、人件費が按分されている場合は、このことを理由に上記各事業に係る費用が重複して補助対象とされていると言うことはできず、同一の法人が上記各事業を受託している以上、連絡先アカウントや運営時間が異ならないことは不合理なことではない。」と記載がある。つまり、東京都の監査結果本文の記載によると本事業の実施報告と都の支援事業の実施報告が重複して報告されていることについては事実であるようだが、このことについて政府は把握しているか。

二 前記一について、この東京都監査委員により出された見解は政府も同じ見解か。

三 前記一について、本事業の実施報告と都の支援事業の実施報告が重複して報告されている場合は、人件費などの費用按分が適正かどうかについて、どのように把握されているか。

四 前記一について、BOND以外にも本事業の助成団体が他の地方公共団体等の助成金や他の国事業の国庫補助金の補助等を受ける場合は十分想定されるが、同事業の交付金の不正な申請及び不正な使用の防止等のために、公募段階において他の地方公共団体等の助成金や他の国事業の国庫補助金の補助な等を受けている若しくは受ける予定があることを申告させる必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。