質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第九六号

NHKのインターネット活用業務、衛星放送番組のインターネット配信に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年六月七日

鈴木 宗男


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   NHKのインターネット活用業務、衛星放送番組のインターネット配信に関する質問主意書

 NHKは本年五月三十日、「NHKのインターネット活用業務に係る設備調達で、令和五年度収支予算及び事業計画との関係で明確な説明が行われないまま稟議・契約が進められ、内部手続きが適切ではなかったと考えられる事項がありました」として、二十九日に総務省に報告したことを公表した。この件に関し、以下質問する。

一 本件に関し、五月三十日の朝日新聞「NHK 未認可配信に九億円 予算計上 放送法抵触の可能性 ネットにBS番組 指摘後 執行停止」、「NHK ずさん予算 理事会開かず計上 経営委・国会素通り 内部調査「理事ら理解せず」BS削減 前会長が対策指示」という報道を機に、三十一日には、読売新聞「NHK経営委に「説明なし」BS配信予算 委員長強い不満 ガバナンス見直し求める」、朝日新聞「NHK違法の恐れ認識 配信予算「是正し解消」主張」、日本経済新聞「NHK不適切手続き BSネット配信予算九億円 一部理事の稟議で承認」、毎日新聞「一部理事稟議のみで計上 NHKネット予算基準違反」、産経新聞「認可外のBS番組配信に九億円NHK一部役員で決定前 会長時代に稟議 経営委員長「遺憾」」、東京新聞「NHK予算計上で規則違反 ネット対象外番組に費用 九億円」と新聞各社が報じた。

 報道は真実を国民に知らせる義務と責任があると思うが、本件に関して正しく報道されていると思うか、政府の見解如何。

二 本件は、放送法に抵触することであるか。

三 NHKの令和五年度予算に、インターネット配信の関連支出九億円が盛り込まれていたことは事実か。

四 インターネット配信関連支出九億円の予算は、実際に支出されているのか。

五 本件の問題は、前田晃伸前NHK会長時代に起きたものと考えているか、政府の認識如何。

六 前田晃伸前NHK会長を含め、稟議に関わった役員全員の役職、氏名を明らかにされたい。

七 公共放送であるNHKの予算は、衆参両院で審議され、国会承認を経て決定される。このことからも本件に関する前田晃伸前NHK会長を始め稟議・契約に関わった役員の責任は極めて重いと考えるが、政府の認識如何。

八 本件に関わった役員は、現在NHKの役職を離れ、子会社に行くべく待機していると思料するが、民主主義は手続が一番であり、その手続を正式に取らなかったことは問題である。子会社の役員にするのは適切ではないと思うが、政府の見解如何。

  右質問する。