質問主意書

第211回国会(常会)

質問主意書

質問第九〇号

地方公共団体における労働問題をめぐる状況とその公表に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年六月二日

塩村 あやか


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   地方公共団体における労働問題をめぐる状況とその公表に関する質問主意書

 地方公共団体は、約二百八十万人の職員と約七十万人の臨時・非常勤職員を雇用しているほか、業務委託等により数多くの民間労働者を公共サービスに従事させており、各地方公共団体は、各種の労働関係法令を遵守する責任を負っている。また、これらの公共サービスに従事する労働者が税金によって雇用されていることを踏まえれば、その雇用の実情については、国民に正確に開示される必要がある。

 かかる観点を踏まえ、以下質問する。

一 地方公共団体が提供する行政サービスに従事する労働者については、いわゆる正規の地方公務員(任期の定めがなく常時勤務を要する職員)、会計年度任用職員等の臨時・非常勤職員のほか、業務委託等による民間労働者があるが、それぞれの労働問題について所管する府省とそれぞれに適用される労働関係法令を示されたい。

二 総務省は、各地方公共団体における地方公務員(臨時・非常勤職員を含む。)の雇用に関して、地方公務員法を始めとした関係法令に違反する事案を把握しているか。また、総務省は、地方公務員法を始めとした関係法令に違反する事案に接した場合、当該地方公共団体にどのような対応(指導、勧告、助言等)を行っているのか。令和元年以降の対応について、対応の類型別にその数を示されたい。

三 前記二の対応を行った場合、総務省はその概要等を一般に公表しているのか。公表していない場合は、その理由を示されたい。

四 民間労働者と同様の労働関係法令が適用される地方公共団体の現業職員に関して、労働関係法令に違反するとして、厚生労働省が指摘(指導、勧告、助言等)を行った事案について、令和元年以降の対応数を類型別に示されたい。また、総務省はこうした事案について、情報を把握しているかについても併せて示されたい。

五 地方公共団体が労働関係法令に違反し、関係当局から指摘(指導、勧告、助言等)を受けた場合、その事実を一般に公表する制度や仕組みはあるか。また、国民が地方公共団体における労働問題の実情を的確に把握するためには、他にどのような方策があると考えるか。

六 前記五で指摘したような地方公共団体が労働関係法令に違反し指摘を受けた事実を公表する制度や仕組みがないとするならば、今後は各地方公共団体にこうした事実の公表を義務付けるとともに、政府において全体の状況を取りまとめた上で定期的に公表する仕組みを作るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。